こんにちは、プライムラグジュアリーウォッチLabo 編集部です。
カルティエの時計をオーバーホールに出そうと思っても、「正規サービスはいくらかかるのか」「時計修理専門店へ依頼しても大丈夫なのか」と迷いますよね。
タンクやサントス、パンテール、パシャなど、カルティエの時計はデザインに強い個性があります。
その一方で、いざ修理を考える段階になると、ムーブメントの種類、部品交換の範囲、外装研磨の有無などによって、費用が分かりにくくなりがちです。
検索していると「カルティエのオーバーホール無料キャンペーン」や「カルティエ オーバーホール 8年」といった情報も出てきます。
条件を満たせば、無料で修理できるのではと期待する方もいるかなと思います。
ただし、無料の機能点検、Cartier Careの保証、店頭で行われるクリーニング、内部を分解するコンプリートサービスは、それぞれ内容も適用条件も異なります。
ここを混同すると、「無料だと思って持ち込んだら有料の見積もりになった」「8年保証ならオーバーホール代もかからないと思っていた」という行き違いが起こりかねません。
また、カルティエは内部の機械だけでなく、文字盤、針、リューズ、ケース、ブレスレットまで含めたジュエリー時計としての外装価値も大切です。
料金表の安さだけで依頼先を選ぶと、純正部品の使用可否、研磨方法、防水検査、修理後保証、将来の資産価値などで、想定外の差が出るかもしれません。
たとえば、同じように時間が遅れる症状でも、磁気帯びの調整だけで済む場合があります。
一方で、内部の油切れや部品の摩耗によって、分解整備が必要になることもあります。
時計の見た目がきれいでも、内部では油が劣化していることがあります。
反対に小傷が多くても、機械の状態は安定していることがあります。
つまり、外観だけでも、使用年数だけでも、オーバーホールの必要性を正確に判断するのは難しいということです。
さらに近年は、時計本体だけでなく、アフターサービスの料金も上昇傾向にあります。
2026年にもアフターサービスや時計関連の料金改定が複数回行われ、以前に調べた料金と現在の料金が異なるケースが見られます。
数年前の記事や口コミに掲載された金額をそのまま予算にすると、実際の見積もりとの差に驚くかもしれません。
この記事では、カルティエ時計のオーバーホール費用、無料キャンペーン情報の見方、Cartier Careによる8年保証、正規サービスと時計修理専門店の違いを整理します。
依頼前に確認したい項目も具体的に解説します。
見積もりを見ても判断できずに困っている方は、ぜひ最後まで確認してみてください。
この記事で分かること
- カルティエのコンプリートサービスの内容
- 正規料金と追加費用の考え方
- 無料キャンペーンと8年保証の違い
- 正規店と時計修理専門店の選び方
料金と保証に関する注意点
本文中の料金や納期は、公開情報をもとにした一般的な目安です。
同じコレクション名でも、製造年、型番、ムーブメント、素材、機能、時計の状態によって、必要な作業は変わります。
部品価格やサービス料金が改定されることもあるため、正確な情報はカルティエ公式サイトや依頼先が発行する正式な見積もりをご確認ください。
また、保証の適用可否は、購入時期、登録状況、故障原因、過去の修理歴などによって個別に判断されます。
最終的な修理方法や売却の判断は、時計の状態を実際に確認できる専門家へご相談ください。
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カルティエのオーバーホール基礎

まずはサービスの違いを整理
カルティエでは、一般的にオーバーホールと呼ばれる分解整備を、主に「コンプリートサービス」として案内しています。
コンプリートサービスは、単に電池を交換したり、時間のずれだけを調整したりする作業ではありません。
時計を総合的に診断し、内部機構を整備したうえで、精度や防水性などを確認する包括的なサービスです。
まずは、どこまで作業してもらえるのか、電池交換や部分修理と何が違うのかを整理しておきましょう。
コンプリートサービスの内容
コンプリートサービスの目的
時計の遅れや停止だけを直すのではなく、不具合の原因を確認し、今後も安定して使用できる状態へ整える総合的なメンテナンスです。
コンプリートサービスは、時計を分解し、内部の状態を確認しながら性能を整える総合的なメンテナンスです。
時計の遅れや停止といった表面上の症状だけを見るのではありません。
その症状が起きた原因を探り、今後も安定して使える状態を目指します。
機械式時計で行われる主な作業
機械式時計では、まずケースやリューズ、ガラス、文字盤などの外観を確認し、時計全体の状態を診断します。
その後、ムーブメントをケースから取り出し、文字盤や針を外して、内部の部品を分解していきます。
ムーブメントには、歯車、ゼンマイ、脱進機、香箱、受け板、ネジなど、多数の細かな部品が使われています。
これらの部品には、摩擦を抑えるための潤滑油が使われています。
しかし、時間がたつと油が乾いたり、汚れと混ざって粘りが強くなったりします。
古い油が残ったままでは、新しい油を差しても本来の性能を発揮しにくくなります。
そのため、分解後に部品を洗浄し、古い油や微細な汚れを取り除きます。
洗浄後は、それぞれの部品に欠け、変形、摩耗、錆がないかを確認します。
再使用が難しい部品があれば交換し、再組み立ての工程で必要な箇所へ適量の油を差します。
時計用の潤滑油は、どこにでも同じものを使うわけではありません。
部品が動く速さや受ける力に応じて、粘度や性質の異なる油を使い分けます。
組み立て後は、歩度や振り角、片振りなどを確認し、時計が安定して動くように調整します。
自動巻き時計では、自動巻き機構が正しく作動するかも確認します。
ローターの回転に異常がないか、ゼンマイを十分に巻き上げられるかも確認の対象です。
クオーツ時計も電池交換だけとは限らない
クオーツ時計は機械式時計より部品数が少なく見えるため、「止まったら電池だけ交換すればよい」と思われやすいですよね。
しかし、クオーツ時計にも歯車やモーター、電子回路、接点、パッキンなどが使われています。
電池が切れているだけであれば、電池交換と必要な点検で再び動く可能性があります。
一方で、長期間電池切れのまま保管していた場合は、電池の液漏れによって回路や接点が傷んでいるかもしれません。
また、時計が動いていても、歯車に汚れがたまって負荷が増えていると、電池の消耗が早くなることがあります。
新品の電池を入れても短期間で止まる場合は、電池以外の原因も疑う必要があります。
秒針の動きがおかしい、時刻が大きくずれる場合も同様です。
クオーツ式のコンプリートサービスでは、回路、モーター、歯車、防水部品などを点検します。
状態によって、必要な整備や部品交換が行われます。
ケースを閉じた後も検査が続く
内部を組み立てて時計が動き始めても、そこで作業が終わるわけではありません。
針が文字盤やガラスに接触していないか、日付が正しく切り替わるか、リューズの操作に違和感がないかなどを確認します。
ケースを閉じる際には、状態に応じてパッキンを交換し、防水性を確保できるかを検査します。
防水時計でも、パッキンが劣化していれば、購入時と同じ防水性能を維持できない可能性があります。
とくに、リューズ周辺、裏ぶた、ガラスの取り付け部分、プッシュボタン周辺は、水分が入りやすい箇所です。
再組み立て後には、精度、作動状況、駆動時間、防水性などを確認します。
さらに、一定期間の動作検査が行われます。
単に止まった時計を動かすだけではなく、今後も安定して使える状態へ整えることが、コンプリートサービスの目的です。
オーバーホールと部分修理は別物
リューズ交換、ガラス交換、電池交換、磁気抜き、ベルト交換などは、必要な箇所だけに対応する部分修理として扱われることがあります。
時計の遅れが磁気帯びだけによるものであれば、内部をすべて分解しなくても改善する可能性があります。
一方、内部の油切れ、歯車の摩耗、複数部品の錆などが疑われる場合は、部分修理だけでは根本的な解決にならないかもしれません。
症状だけを直しても、別の箇所へ負荷が残っていれば、短期間で再び不具合が出る可能性があります。
作業範囲の違いを詳しく知りたい方は、オーバーホールと修理の違いを解説した記事も参考にしてください。
カルティエでは外装の扱いも重要
カルティエの時計でとくに注意したいのが、外装仕上げの扱いです。
タンク、サントス、パンテール、パシャなどは、ケースの面、角、ベゼル、ブレスレットの形がデザインの印象を大きく左右します。
タンクの長方形ケースは、縦横の線が整っているからこそ、端正で上品な印象が生まれます。
サントスは、ベゼルのビス、ケースの曲面、鏡面仕上げと筋目仕上げの境界が、スポーティーさとエレガントさを両立させています。
パンテールでは、細かなブレスレットの動きと光の反射が、ジュエリーのような存在感を作っています。
研磨によって小傷が目立ちにくくなる一方、何度も強く磨くと、ケースのエッジや刻印、面の境目が少しずつ変化する可能性があります。
浅い擦り傷を整える軽い仕上げと、深い傷を目立たなくするために金属を多く削る仕上げでは、時計への影響が異なります。
深い傷を完全に消そうとすれば、その分だけ周囲の金属も削る必要があります。
その結果、ケースの角が丸くなったり、ベゼルの厚みが変わったりすることも考えられます。
新品に近い見た目を求める方にとっては、研磨が魅力的です。
一方で、長年の使用跡を残したい方や、ヴィンテージとしての雰囲気を重視する方には、研磨を行わない選択もあります。
ヴィンテージモデルや将来の資産価値を重視する時計では、研磨を希望するかどうかを見積もり承認前に伝えることが大切です。
「必要なら磨いてください」と伝えるだけでは、あなたが残したかった傷まで仕上げの対象になるかもしれません。
研磨なし、軽い研磨のみ、ブレスレットのみなど、希望を具体的に伝えると行き違いを減らせます。
編集部のワンポイント
推奨頻度と修理期間の目安
オーバーホールの時期は、すべてのカルティエ時計で一律ではありません。
「購入から何年たったら必ず出す」と年数だけで決めるより、時計の方式、使用頻度、保管環境、現在の症状を総合的に見る必要があります。
機械式かクオーツ式か、毎日使うのか休日だけ使うのかによって、内部と外装の劣化速度は変わります。
水や汗に触れる機会が多いかどうかも、判断材料です。
機械式時計は精度と駆動時間を確認
一般的には、機械式時計は数年ごとに状態を確認します。
精度の悪化、駆動時間の短縮、巻き上げ時の違和感などが出たら、早めに相談するのが安心です。
たとえば、以前は一晩置いても動いていた時計が、外した数時間後に止まるようになった場合があります。
この場合、ゼンマイを十分に巻き上げられていない可能性があります。
自動巻き機構の不具合、ゼンマイの劣化、内部の抵抗増加など、複数の原因が考えられます。
毎日の時間のずれが急に大きくなった場合は、磁気帯び、油の劣化、部品の摩耗、衝撃による調整のずれなどが考えられます。
ただし、機械式時計の精度は、装着時間、巻き上げ量、置き方、気温によっても変化します。
1日だけの遅れで判断せず、数日から1週間ほど同じ条件で記録すると、症状を説明しやすくなります。
クオーツ式も定期的な状態確認が必要
クオーツ時計も、電池を交換するだけで永久に使えるわけではありません。
内部の歯車、パッキン、電子部品は時間とともに劣化します。
電池交換のたびに時計の状態を確認し、パッキンの劣化や湿気の侵入がないかを見てもらうことが大切です。
切れた電池を長期間入れたままにすると、液漏れによって回路や接点が傷む可能性があります。
長期間使わない時計でも、止まったまま引き出しへ入れっぱなしにしない方が安心です。
電池切れに気づいた段階で相談しましょう。
なお、電池寿命と時計そのものの整備時期は同じではありません。
電池が長持ちしていても、防水パッキンや内部の機械部品まで新品の状態を保てるわけではないためです。
推奨年数は診断を受けるきっかけとして考える
カルティエでは、時計の精度、信頼性、防水性などを確認する機能点検を定期的に受けるよう案内しています。
ただし、一定の年数が経過したからといって、すべての時計が同じ作業を必要とするわけではありません。
同じ5年使用した時計でも、毎日着用してきた時計と、年に数回だけ使った時計では、部品の摩耗や外装の状態が異なります。
一方で、使用回数が少なくても、長期間動かさずに保管することで油が偏ったり、湿気の影響を受けたりする可能性はあります。
そのため、「まだ動いているから大丈夫」「ほとんど使っていないから整備は不要」と決めつけるのもおすすめできません。
推奨年数は、必ずオーバーホールを依頼する期限ではありません。
時計の健康診断を受けるきっかけとして考えると分かりやすいですよ。
機能点検の結果や時計の症状をもとに、部分修理で済むのか、分解整備が必要なのかを判断します。
年数を待たずに相談したい症状
- 急に時間が進む、または遅れるようになった
- リューズが重い、空回りする、巻き上げ時に引っかかる
- 時計を振ったときに今までなかった音がする
- ローターの回転音が大きくなった
- すぐ止まる、駆動時間が短くなった
- 日付が切り替わらない
- クロノグラフの針が戻らない
- ガラスの内側が曇った
曇りが自然に消えても、水分の影響までなくなったとは限りません。
文字盤や針、ムーブメントへ腐食が広がる前に、使用を止めて専門家へ相談してください。
修理期間は最低期間より長くなることもある
修理期間は、作業内容、部品の在庫、受付時期、修理拠点によって変わります。
公式の案内に最低期間が記載されていても、必ずその期間内に戻ってくるという意味ではありません。
時計を預けた後は、まず診断と見積もりが行われます。
見積もりの連絡を受け、内容を確認して承認した後に、実際の修理が始まる流れが一般的です。
見積もりの承認に時間がかかれば、その分だけ完成時期も後ろへずれます。
また、部品の取り寄せが必要な場合や、通常のサービス拠点では対応できない修復作業が必要な場合は、数カ月以上かかることがあります。
古いモデル、複雑機構、希少な外装部品を使う時計では、さらに長期間になる可能性も考えておきましょう。
繁忙期や大型連休を挟む時期は、受付や配送に時間がかかることもあります。
結婚式、成人式、家族の記念日、旅行など、使いたい予定が決まっている場合は、直前ではなく余裕を持って相談してください。
どうしても使用日が決まっている場合は、依頼前に希望日を伝え、対応可能か確認すると安心です。
カルティエのオーバーホール費用

基本料金と総額は別
カルティエのオーバーホール費用を見るときは、ウェブ上の基本料金だけで判断しないことが重要です。
実際の支払額は、基本作業料に交換部品、外装作業、配送費用などが加わって決まります。
基本料金が同じ時計でも、部品交換がほとんど必要ない場合と、文字盤やリューズまで交換する場合では、最終的な総額が大きく異なります。
料金を比較するときは、単に数字を並べるのではありません。
その金額にどこまでの作業が含まれているかを確認しましょう。
クオーツと機械式の正規料金
2026年7月時点の公式料金目安
コンプリートサービスは70,400円以上です。
電池交換サービスは9,900円、機能点検は無料、ポリッシングは50,380円以上と案内されています。
ここで重要なのが、「70,400円」ではなく「70,400円以上」とされている点です。
これは最低価格の目安です。
すべてのカルティエ時計を一律70,400円で整備できるという意味ではありません。
時計の機構、素材、モデル、必要な交換部品、修復の難しさによって、正式な見積もりは変わります。
ムーブメントが違えば作業量も変わる
クオーツ、手巻き、自動巻き、クロノグラフ、複雑機構では、部品数や作業工程が異なります。
シンプルな2針または3針の時計と、日付表示やクロノグラフを備えた時計では、分解する部品数も調整する機能も同じではありません。
同じタンクでも、クオーツ式、手巻き式、自動巻き式では、内部の構造と整備内容が異なります。
同じサントスでも、シンプルな3針モデルとクロノグラフでは、プッシュボタンや計時機構の点検が追加されます。
そのため、作業の難しさも変わります。
また、ヴィンテージモデルは部品の供給状況が異なります。
通常のコンプリートサービスではなく、個別の修復として扱われる可能性もあります。
公式サービス料金の目安
| 公式サービス | 料金の目安 | 期間の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| コンプリートサービス | 70,400円以上 | 最低3週間 | 内部の分解、洗浄、組み立て、調整、検査など |
| 電池交換サービス | 9,900円 | 即時または最低2週間 | 電池交換と必要な点検 |
| 機能点検 | 無料 | 即時または最低2週間 | 精度、防水性、耐磁性などの確認 |
| ポリッシング | 50,380円以上 | 個別確認 | ケースやブレスレットの外装仕上げ |
| 修復サービス | 個別見積もり | 最低6カ月 | 歴史的または特殊な時計の修復 |
上記は、公式価格ガイドに掲載されている一般的な案内を整理したものです。
すべての時計に同じ料金や期間が適用されるわけではありません。
部品交換や特殊作業が必要になれば、基本料金とは別に費用が加算される可能性があります。
近年はアフターサービス料金も上昇傾向
カルティエでは、時計本体やジュエリーだけでなく、アフターサービスの料金も定期的に見直されています。
2026年1月にはアフターサービス料金が平均約9%、同年5月にも時計関連で平均約5%から6%程度上がったとされています。
維持費は、以前より高くなる傾向です。
ただし、これらは料金表全体における平均的な改定幅です。
すべての作業が同じ割合で値上げされたという意味ではありません。
時計の種類やサービス項目によって、実際の変更額は異なります。
過去の記事に「機械式は6万円台」「クオーツは4万円台」と書かれていても、その金額が現在も適用されるとは限りません。
見積もりを依頼する時期が数カ月違うだけで、基本料金や部品代が変わる可能性もあります。
価格改定だけを理由に修理を急がない
料金が今後上がる可能性があるからといって、状態を確認せずにコンプリートサービスを申し込む必要はありません。
正常に動いている時計は、まず機能点検を受け、現在の状態を確認する方法があります。
一方、曇り、異音、急な精度悪化などの症状がある時計は、料金改定の有無にかかわらず、早めに専門家へ相談してください。
時計修理専門店は基本料金の範囲に注意
時計修理専門店では、クオーツ式で2万円台から3万円台が基本料金の目安になることがあります。
機械式3針は2万円台後半から4万円台、クロノグラフは3万円台後半から5万円台程度が目安になる場合があります。
ただし、この金額も店舗やモデルによって異なるため、あくまで一般的な目安です。
専門店の料金表には、「オーバーホール基本料金」として、分解、洗浄、注油、組み立て、調整までが含まれていることがあります。
一方で、交換部品、外装研磨、防水パッキン、防水検査、送料などが別料金になっている店舗もあります。
たとえば、正規サービスの料金に一部の消耗部品が含まれていても、専門店では同じ部品が追加料金になるかもしれません。
逆に、専門店の基本料金に外装洗浄が含まれていることもあります。
そのため、最初に表示されている金額だけを比べても、本当の価格差は分かりません。
正規が高く、専門店が安いという表面だけで比べず、同じ作業条件にそろえて総額を比較することが大切です。
料金比較でそろえる条件
- 基本の分解整備に含まれる作業
- 交換部品の種類と価格
- 外装研磨の有無
- 防水試験の有無
- 送料、見積もり料、キャンセル料
- 修理後保証の期間と対象範囲
時計全般の料金構造については、時計オーバーホール費用と見積もりの比較ポイントでも詳しく解説しています。
モデル別に変わる追加費用
カルティエの見積もりが大きく変わる原因は、基本料金よりも追加部品にあることが少なくありません。
基本料金はムーブメントの分解整備を中心とした金額です。
しかし、実際の時計には内部部品だけでなく、文字盤、針、リューズ、ガラス、ブレスレットなど、さまざまな部品があります。
これらに摩耗、腐食、破損が確認されれば、交換や補修の費用が加わります。
リューズは外観と機能の両方に関わる
交換の対象になりやすい部品のひとつが、時刻合わせや巻き上げに使うリューズです。
カルティエらしいカボション付きリューズは、単なる操作部品ではありません。
外観を構成する大切な装飾でもあります。
石の欠け、リューズの変形、巻き芯の破損、ネジ山の摩耗がある場合は、内部の整備費用とは別に部品代が加わる可能性があります。
リューズの操作に違和感がある状態で無理に回し続けると、巻き芯や内部部品へ負荷をかけるかもしれません。
「少し固いだけだから」と力を入れず、早めに点検を受けた方が安心です。
文字盤と針は費用だけで決めにくい
文字盤や針も、追加費用が大きくなりやすい部品です。
時計内部へ湿気が入ると、針の変色や文字盤の染み、塗装の浮きが発生することがあります。
内部の分解整備だけで機能が戻っても、外観を整えるために文字盤や針を交換すると、総額が大きく上がるかもしれません。
ただし、古い文字盤の変色や経年変化は、所有者にとって思い出であり、ヴィンテージとしての個性でもあります。
新品の文字盤へ交換するときれいになりますが、時計全体の雰囲気が変わる可能性があります。
正規修理では、交換した文字盤や針などの旧部品がカルティエ側で回収され、所有者へ返却されないケースが多くあります。
交換後に「やはり元の文字盤へ戻したい」と思っても、旧部品が手元に残っていなければ、元の状態へ戻せない可能性があります。
見積もりを承認する前に、交換が必須なのか、見た目を整えるための推奨交換なのかを確認しましょう。
交換後の旧部品を返却してもらえるかどうかも、承認前に必ず確認してください。
ガラスやブレスレットも高額になる可能性がある
ガラスの傷が浅ければ、そのまま使用できる場合があります。
しかし、欠けやひび割れがある場合は、防水性や安全性に関わるため、交換を提案される可能性があります。
カルティエの時計には、モデルごとに形状の異なるガラスが使われています。
特殊な形状や古いモデルのガラスは、一般的な丸型ガラスより費用が高くなることがあります。
ブレスレットでは、コマ、ネジ、バックル、接続部分の摩耗が確認されることがあります。
パンテールのように細かなコマが連なるブレスレットは、装着感のよさが魅力です。
一方で、長年使うとコマ同士の隙間や伸びが目立つことがあります。
部分的な修理ができるのか、部品交換が必要なのか、一式交換になるのかで費用は大きく変わります。
追加費用の確認表
| 追加項目 | 費用が変わる理由 | 見積もりで確認したい点 |
|---|---|---|
| リューズ | 石、素材、形状、巻き芯の状態 | 純正部品の在庫と交換範囲 |
| 文字盤 | 腐食、変色、塗装、部品供給状況 | 交換が必須か、旧部品の返却が可能か |
| 針 | 腐食、夜光、形状、仕上げ | 一式交換か一部交換か、旧部品を返却できるか |
| ガラス | 形状、素材、傷、欠け、ひび | 交換が必須か推奨か |
| ブレスレット | コマ、ネジ、バックル、接続部の摩耗 | 部分修理か一式交換か |
| ムーブメント部品 | 摩耗、錆、変形、部品供給状況 | 基本料金に含まれるか |
| パッキン | 経年劣化、防水性能への影響 | 交換費用と防水検査の有無 |
| 外装研磨 | 素材、傷の深さ、仕上げ面の複雑さ | 研磨なしや軽い研磨を選べるか |
見積書に「必須交換」と「推奨交換」が分けて書かれている場合は、それぞれの理由を確認しましょう。
防水性や作動に関わる部品は、交換を断ると修理保証や防水保証を付けられない場合があります。
たとえば、パッキンが劣化しているのに交換を断れば、依頼先としても防水性能を保証しにくくなります。
一方、外観上の小傷に対する研磨や、見た目を整えるための文字盤交換などは、時計の使い方や価値観によって選択できることがあります。
革ベルトモデルでは、オーバーホールと同時にベルトやバックルを見直す方もいるでしょう。
革ベルトは汗や湿気の影響を受ける消耗品です。
内部整備とは別に交換費用が必要です。
純正バックルの素材やサイズを確認したい場合は、カルティエ純正Dバックルの価格と選び方も参考になります。
部品交換で高額になるケース
カルティエのオーバーホールが高額になりやすいのは、内部と外装の両方に修理が必要なケースです。
基本の分解整備だけで済めば、料金の見通しを立てやすくなります。
しかし、腐食や破損が複数箇所に広がると、追加費用が重なります。
電池の液漏れが回路へ広がったケース
長期間使わずに保管していたクオーツ時計では、電池の液漏れに注意が必要です。
液漏れが電池周辺だけで収まっていれば、清掃や必要な部品交換で対応できる可能性があります。
しかし、液が回路や接点まで広がっていると、電子部品の交換が必要になるかもしれません。
電池を交換しただけでは動かず、ムーブメント全体の交換や追加修理が必要になれば、見積もりは大きくなります。
電池切れの時計を何年も保管している場合は、動かす予定がなくても一度相談した方が安心です。
油切れのまま機械式時計を使い続けたケース
機械式時計では、油が劣化した状態で使い続けると、部品同士の摩擦が増えます。
歯車そのものだけでなく、歯車を支える細い軸や、軸を受ける穴が摩耗することがあります。
軸が摩耗すると、歯車が傾き、ほかの部品と正しくかみ合わなくなる可能性があります。
単純な洗浄と注油では済まず、複数の部品交換や調整が必要になれば、費用は上がります。
「動いているから壊れていない」とは限りません。
異音、精度悪化、駆動時間の短縮を感じたら、無理に使い続けないことが大切です。
水分が文字盤とムーブメントへ広がったケース
水分の侵入も、高額修理につながりやすい原因です。
文字盤、針、ムーブメントの複数箇所へ錆が広がると、コンプリートサービスに加えて外装部品や内部部品の交換が必要になります。
水分は、リューズの閉め忘れだけでなく、パッキンの経年劣化、ガラスの欠け、ボタン周辺の劣化などから入る可能性があります。
日常生活防水の時計を着けたまま入浴したり、温度差の大きい場所で使用したりすると、防水性能の範囲を超えることがあります。
ガラスの曇りを放置しない
曇りが消えたとしても、時計内部へ入った水分まで消えたとは限りません。
水分が内部に残れば、金属部品の錆や文字盤の染みにつながる可能性があります。
そのまま使用すると、数日から数週間で腐食が進むことも考えられます。
時計を乾かそうとしてドライヤーの熱を当てたり、リューズを何度も操作したりするのは避けてください。
リューズやボタンを操作せず、なるべく早く専門家へ相談しましょう。
ヴィンテージモデルで純正部品が必要なケース
ヴィンテージのマストタンクや旧型サントスなどは、現行モデルより部品の入手が難しい場合があります。
純正部品の在庫がなければ、修復サービスとして長期間の預かりになることがあります。
部品交換を伴う修理ができないこともあります。
また、古い時計は過去に複数回修理されており、すでに一部の部品が交換されている可能性があります。
社外部品や加工された部品が使われていると、通常とは異なる対応が必要になるかもしれません。
古いカルティエを依頼するときは、修理できるかだけでなく、オリジナルの文字盤や針をどこまで残すのかも重要です。
交換によって見た目がきれいになっても、ヴィンテージとしての雰囲気や評価が変わる可能性があります。
正規サービスで文字盤や針を交換した場合、交換前の純正部品は原則として回収され、返却されないケースが多い点にも注意してください。
見積もりへ同意して交換作業が完了した後では、元の文字盤や針を取り戻せない可能性があります。
交換を提案されたときは、機能上必須の交換なのか、外観を整えるための推奨交換なのかを確認しましょう。
返却されない可能性を理解したうえで、それでも交換したいかを考えることが大切です。
ヴィンテージ部品は承認前に確認
- 文字盤や針の交換が機能上必須なのか
- 外観を整えるための推奨交換なのか
- 旧部品が返却されるか
- カルティエ側で回収されるか
- 交換後の部品が元の意匠とどの程度異なるか
オリジナル部品を失った場合、中古市場での評価や時計全体の雰囲気が変わる可能性があります。
返却を前提にせず、承認前に書面や見積もり内容を確認することが大切です。
文字盤の変色やケースの小傷を「劣化」と見るか、「歴史」と見るかは、所有者によって異なります。
あなたにとって大切なのは、新品のような外観でしょうか。
それとも、長年使ってきた表情を残しながら、内部だけを安定させることでしょうか。
希望を言葉にしてから見積もりを依頼すると、完成後の行き違いを減らせますよ。
無料キャンペーンの真相

無料になる作業を切り分ける
「カルティエ オーバーホール 無料キャンペーン 2025」という検索語を見て、無料でコンプリートサービスを受けられると思った方もいるかもしれません。
維持費が高くなりやすい高級時計だからこそ、無料という言葉が気になるのは自然なことです。
ただし、インターネット上で使われる「無料メンテナンス」という表現には、異なる内容が含まれていることがあります。
点検、クリーニング、保証修理、特別対応などです。
無料点検、保証修理、店頭でのケア、コンプリートサービスは、それぞれ適用条件が違います。
2025年の無料情報は本当か
結論
2026年7月時点で、すべてのカルティエ時計を対象にコンプリートサービスを無料にする恒常的な公式キャンペーンは確認できません。
現在の公式価格ガイドでも、コンプリートサービスは有料サービスとして案内されています。
検索候補に「カルティエ オーバーホール 無料キャンペーン 2025」や「カルティエオーバーホール無料キャンペーン」と出てきても、それだけで公式キャンペーンが存在する証拠にはなりません。
検索候補は、多くの方が入力した言葉や、過去に検索された言葉をもとに表示されることがあります。
そのため、検索候補に出ることと、公式制度として存在することは別です。
無料という情報が広がる主な理由
無料キャンペーンの情報が広がる背景には、複数のサービスが混同されている可能性があります。
ひとつは、無料の機能点検です。
時計の状態を確認してもらった方が、「カルティエで無料メンテナンスを受けた」と表現することがあります。
その結果、分解整備まで無料だったように伝わることがあります。
もうひとつは、保証期間内の無償修理です。
製造上の欠陥や保証対象の自然故障で修理料金がかからなかった場合でも、それは期間限定キャンペーンではありません。
保証条件に基づく対応です。
また、購入直後の不具合や個別の事情によって、例外的な対応が行われることも考えられます。
特定の時計が無償修理になった事例があっても、それが全所有者へ適用されるキャンペーンとは限りません。
さらに、店頭で外装をきれいにしてもらった体験が、「時計を無料で直してもらった」と簡略化して伝わることもあります。
国際永久保証書が無料情報の背景になることも
カルティエの無料オーバーホールに関する情報が広がる背景には、過去に発行された「国際永久保証書」の存在もあります。
国際永久保証書は、現在販売されているすべてのカルティエ時計に付属する制度ではありません。
1970年代末から1980年代ごろの限られた時期に販売された一部のマストタンクやサントスなどに付属していた、歴史的な保証書です。
有効な保証書原本が付属し、対象条件を満たしている時計では、所有者が変わった後も、カルティエ正規サービスにおけるコンプリートサービスの基本料金が無料になるとされています。
ただし、文字盤、針、リューズ、ガラスなどの部品交換が必要になった場合は、部品代が別途かかることがあります。
落下、水没、強い衝撃など、外的要因による破損も、無償対応の対象外になる可能性があります。
つまり、永久保証書が付いていても、時計に関するすべての費用が将来にわたって完全無料になるわけではありません。
国際永久保証書付き時計の確認点
- 保証書の原本が実際に付属しているか
- 時計本体と保証書の情報が一致しているか
- 現在もサービスが適用される個体か
- 部品代などの有料範囲
- 外的要因による破損の扱い
コピーや写真だけで、正規サービスを受けられると判断しないようにしましょう。
購入前にカルティエへ確認すると安心です。
国際永久保証書付きの個体は、今後の基本整備費用を抑えられる可能性があります。
そのため、中古市場で高く評価されることがあります。
同じモデル、同じような状態でも、永久保証書の有無によって販売価格に差が付くケースも見られます。
ただし、保証書があることだけで時計本体の状態がよいとは限りません。
文字盤の腐食、ケースの過度な研磨、ブレスレットの伸び、内部部品の状態なども確認する必要があります。
永久保証書は魅力的な付属品ですが、時計の状態確認を省略できるものではありません。
SNSや口コミは条件まで確認する
「以前は無料だったらしい」「知人は料金がかからなかった」という話があっても、その時計の保証状況や修理理由が同じとは限りません。
SNSの短い投稿では、購入日、モデル、保証登録、国際永久保証書の有無、故障原因などが省略されていることがあります。
無償対応という結果だけを見ても、あなたの時計に同じ条件が適用されるかは判断できません。
無料情報を見つけたときの確認手順
- 掲載元がカルティエ公式か
- キャンペーンの実施期間
- 対象モデルと購入日
- 保証登録の有無
- 国際永久保証書の有無
- 無料になる作業範囲
条件が書かれていないSNS投稿や口コミだけで、無料になると判断しないことが大切です。
ブティックへ持ち込む前に、時計の型番、シリアル番号、保証書、購入日、症状、過去の修理歴を整理して問い合わせると話がスムーズです。
電話やメールで確認するときは、「オーバーホールは無料ですか」とだけ聞くのではありません。
「この時計は保証対象になる可能性がありますか」「機能点検とコンプリートサービスの違いを教えてください」と具体的に聞くと、誤解を減らせます。
無料点検とクリーニングの違い
無料オーバーホールと混同されやすいのが、カルティエの機能点検です。
機能点検は、現在の時計がどのような状態にあるかを確認するためのサービスです。
時計の精度、防水性、耐磁性など、正常に作動しているかを確認します。
ただし、点検は状態を確認するサービスです。
ムーブメントをすべて分解して洗浄するコンプリートサービスではありません。
機能点検は時計の健康診断に近い
人の健康診断で問題の有無を確認することと、実際に治療を受けることは別ですよね。
時計の機能点検と修理も別です。
機能点検で問題が見つからなければ、そのまま使用できる可能性があります。
一方で、精度、防水性、電池、内部機構などに問題が確認されれば、必要な有料サービスが案内されます。
点検の結果、電池交換、パッキン交換、部分修理、コンプリートサービスなどが必要と判断されることがあります。
無料なのは診断の範囲です。
見つかった不具合を直す作業まで必ず無料になるわけではありません。
クリーニングは汚れを落とす作業
外装クリーニングは、ケースやブレスレットに付いた皮脂、汗、ほこりなどを落とす作業です。
時計を日常的に使うと、ブレスレットの隙間や裏ぶた周辺に汚れがたまります。
これらを取り除くことで、外観が明るく見えたり、装着時の不快感を減らしたりできます。
ただし、クリーニングで金属表面の傷そのものが消えるわけではありません。
汚れが落ちることで小傷が目立ちにくくなることはあります。
しかし、金属を磨いて形を整えるポリッシングとは異なります。
ポリッシングは金属表面を整える作業
ポリッシングは、金属表面を研磨し、小傷を目立ちにくくする作業です。
表面をわずかに削るため、何度でも無制限に行えるものではありません。
深い傷を完全に消そうとすると、周囲の金属も削る必要があり、ケース形状へ影響する可能性があります。
ヴィンテージ時計や、すでに複数回研磨されている時計では、研磨を行わない方がよいこともあります。
無料サービスとの違い
| サービス | 主な目的 | 分解整備 | 傷への効果 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| 機能点検 | 現在の作動状態を確認 | 原則として行わない | なし | 無料 |
| クリーニング | 外装の皮脂や汚れを落とす | 行わない | 傷は基本的に残る | 受付内容を要確認 |
| 電池交換 | 電池と必要な防水部品の確認 | 全面分解ではない | なし | 9,900円 |
| ポリッシング | 金属表面の小傷を整える | 内部整備とは別 | 小傷が目立ちにくくなる | 50,380円以上 |
| コンプリートサービス | 時計全体の機能回復 | 行う | 外装作業の範囲による | 70,400円以上 |
「店頭できれいにしてもらった」という体験談が、いつの間にか「オーバーホールを無料で受けた」という話へ変わっている可能性もあります。
無料サービスを利用するときは、時計を分解するのか、外装だけを清掃するのかを確認しましょう。
点検後に費用が発生する可能性があるのかも確認してください。
無料なのは何の作業なのかを切り分けて考えると、情報に振り回されにくくなります。
まず無料点検を利用する方法もある
時計が正常に動いており、オーバーホールが必要か分からない場合は、最初から高額な修理を決める必要はありません。
まず機能点検を受け、現在の精度や防水性を確認してから、必要なサービスを検討する方法があります。
ただし、曇り、停止、異音、リューズの破損など明確な異常がある場合は、点検だけでなく修理相談として持ち込みましょう。
Cartier Careの8年保証
「カルティエ オーバーホール 8年」という検索で多くの方が探しているのが、Cartier Careによる保証延長です。
Cartier Careは、所有するカルティエの時計を登録し、保証延長や時計に合わせたサービスを受けるための仕組みです。
カルティエの時計には通常2年間の国際保証があります。
所定の条件を満たして保証延長が承認されると、保証期間を最大8年まで延ばせます。
8年保証はオーバーホール無料券ではない
8年保証で誤解しやすい点
Cartier Careは、「8年間に1回、好きなタイミングで無料オーバーホールを受けられる制度」ではありません。
購入から8年間、どのような修理でも必ず無料になるわけではありません。
保証の対象となるのは、保証条件を満たす製造上の欠陥や自然故障などです。
正常に動いている時計を予防目的で分解整備したい場合は、有料になる可能性があります。
通常の摩耗によって整備が必要になった場合も同様です。
つまり、保証期間が8年あることと、メンテナンス費用が8年間すべて無料になることは別です。
保証対象外になりやすいケース
落下、衝撃、水没、誤った使用、通常の摩耗、革ベルトの劣化、外観上の傷などは、保証対象外になる可能性があります。
リューズを引いたまま水に触れた、時計を着けて入浴した、強い衝撃を与えたといったケースでは、使用状況が判断材料になることがあります。
ケースやブレスレットの小傷、革ベルトの変色、バックルの擦れなども、製造上の欠陥とは異なります。
また、正規ルート以外で時計内部へ手が加えられている場合や、非純正部品が使用されている場合は、保証対応へ影響するおそれがあります。
時計修理専門店を利用すること自体が必ず問題になるとは限りません。
ただし、保証期間中は先にカルティエへ相談した方が安心です。
登録時期と書類を確認する
Cartier Careの保証延長を受けるには、通常の国際保証が有効な間に手続きを行う必要があります。
具体的には、時計の購入日から2年以内に保証延長の申請を完了することが重要です。
この2年間は、単なる目安ではありません。
最大8年の延長保証を受けるための厳格な期限です。
購入から2年を過ぎてしまうと、Cartier Careへの登録自体が可能な場合でも、最大8年への保証延長を受けられなくなる可能性があります。
「購入から2年後の月末まで」などの猶予が自動的に設けられるとは考えない方が安心です。
保証書に記載された購入日を基準に、早めに手続きを行いましょう。
購入直後に登録しておけば、期限を忘れるリスクを減らせます。
登録には、時計のシリアル番号や購入情報などが必要になることがあります。
保証書、購入証明、領収書などは、登録後も処分せず保管してください。
中古時計の場合は、あなたが中古で購入した日ではなく、時計が最初に新品として販売された購入日が基準になる可能性があります。
購入して間もない中古時計であっても、最初の販売から2年以上経過していれば、延長保証を申請できない可能性があります。
中古購入時には、保証書の有無だけでなく、最初の購入日とCartier Careの登録状況も確認しましょう。
Cartier Careの2年期限を過ぎない
- 最大8年の保証延長は購入日から2年以内に申請する
- 期限後に登録できても延長保証が復活するとは限らない
- 中古購入日は基準にならない可能性がある
- 最初の新品購入日を確認する
- 期限直前まで待たず早めに登録する
Cartier Careで確認したいこと
- 購入日から2年以内に保証延長を申請する
- シリアル番号、購入情報、保証書を用意する
- 登録だけですべての修理が無料になるわけではない
- 中古時計は最初の購入日を確認する
- 保証期間内でも有償になる場合がある
- 登録時と修理時に最新条件を確認する
Cartier Careの8年保証は、保証対象となる不具合が発生したときに、条件を満たしていれば無償修理を受けられる可能性がある制度です。
正常に動いている時計の予防的なコンプリートサービスを、好きな時期に無料で依頼できる制度と考えないようにしましょう。
保証対象か分からない場合は、自分で判断して民間修理店へ持ち込む前に、カルティエへ症状を伝えて確認するのがおすすめです。
編集部のワンポイント
正規店と専門店の違い

時計の状態に合わせて選ぶ
カルティエのオーバーホールは、正規サービスだけでなく、民間の時計修理専門店へ相談する方法もあります。
正規サービスは、純正部品やメーカー基準を重視する方にとって安心感があります。
時計修理専門店は、費用を抑えやすく、作業内容を相談しやすい点が魅力です。
どちらが正解というより、時計の状態、年式、保証、予算、残したい価値によって選択が変わります。
正規サービスを選ぶべき時計
購入から日が浅く、Cartier Careを含む正規保証が残っている時計は、まずカルティエへ相談するのが基本です。
保証対象の故障であれば、民間修理店へ先に出すことで、正規保証へ影響する可能性があるためです。
保証期間中の時計
時計が保証期間中に止まったり、精度が急に悪化したりした場合は、自己判断で分解や修理を依頼しない方が安心です。
症状が保証対象であれば、無償修理を受けられる可能性があります。
民間修理店で時計を開けた後では、故障原因や部品の状態を正確に確認しにくくなることがあります。
保証対象外と思える症状でも、まずはカルティエへ相談し、対応方法を確認しましょう。
自社製ムーブメントや複雑機構
最新の自社製ムーブメント、クロノグラフ、複雑機構を搭載した時計も、正規サービスが有力になります。
専用工具、診断設備、純正部品、メーカー独自の調整手順が必要になる場合があるからです。
複雑な時計ほど、分解と組み立てだけでなく、各機能の連動や精度を確認する工程が増えます。
時計修理専門店でも高い技術を持つ店舗はあります。
ただし、すべての店舗がカルティエの特殊機構を受け付けているわけではありません。
純正外装部品が必要な時計
文字盤、針、リューズ、ガラス、ブレスレットなど、カルティエ独自の外装部品を交換したい場合も、正規サービスを優先したいところです。
時計修理専門店で内部機構を整備できても、ブランド独自の外装部品までは入手できないことがあります。
とくに、カボション付きリューズ、特殊形状のガラス、専用文字盤、ブレスレット部品などは、代替品で同じ外観を再現するのが難しい場合があります。
正規修理履歴を残したい時計
将来の売却や相続を考え、正規修理履歴を残したい場合も、メーカーサービスが向いています。
正規の修理明細が残っていれば、いつ、どのような整備を受けたのかを説明しやすくなります。
ただし、正規修理を受けたからといって、支払った修理費用がそのまま査定額へ加算されるわけではありません。
それでも、時計の状態や修理履歴を証明する資料として役立つ可能性があります。
正規サービスが向いているケース
- Cartier Careや国際保証が有効
- 国際永久保証書の適用を確認したい
- 自社製ムーブメントや複雑機構を搭載
- 純正外装部品の交換が必要
- 正規修理履歴を残したい
- 費用より純正状態と安心感を優先したい
正規サービスの強みは、単に純正部品を使うことだけではありません。
メーカーの基準に沿って、防水性、精度、外装、操作感を総合的に確認してもらえる安心感があります。
修理後に不具合が出たときも、正規の窓口を通して相談できます。
一方で、費用が高くなりやすく、納期が長くなる可能性は理解しておきましょう。
また、ヴィンテージ時計では、安全性や機能回復を優先して、文字盤や針の交換を提案されることがあります。
オリジナルの外観を残したい場合は、見積もり承認前に交換方針を確認してください。
正規修理では、交換済みの文字盤や針などがカルティエ側で回収され、返却されないケースが多くあります。
そのため、「交換せずに整備できるか」「交換が必要な理由は何か」「交換した部品は返却されるのか」を、作業承認前に必ず確認しておくことが大切です。
旧部品が返却されない場合は、交換後に元の状態へ戻すことが難しくなります。
ヴィンテージとしての雰囲気や市場評価を重視するなら、交換のメリットとデメリットを十分に理解してから判断しましょう。
専門店へ依頼するメリット
時計修理専門店のメリットは、正規サービスより基本料金を抑えやすく、希望に合わせて作業を相談しやすいことです。
保証期間を終えた時計で、内部の分解整備を中心に行いたい場合は、有力な選択肢になります。
基本料金を抑えられる可能性がある
時計修理専門店は、メーカーと同じ料金体系ではありません。
そのため、基本のオーバーホール料金を抑えられる場合があります。
汎用ムーブメントをベースにした旧型カルティエや、保証期間を終えたシンプルな3針モデルであれば、専門店も比較しやすいでしょう。
ただし、料金が安い理由が、作業の効率化によるものなのか、検査項目や保証範囲が少ないためなのかは確認が必要です。
単純に最安値だけを選ぶのではなく、作業内容と技術力を見て判断してください。
所有者の希望を相談しやすい
研磨をしない、最低限の部品交換にとどめる、古い文字盤を残すなど、所有者の希望を細かく聞いてくれる店舗もあります。
正規サービスでは一式交換を提案される部品について、修理や調整で対応できる可能性もあります。
ヴィンテージ時計では、外観を大きく変えず、内部の機能回復を優先したい方もいるでしょう。
そのような希望を相談しやすい点は、専門店の魅力です。
店舗ごとに技術と対応範囲が違う
ただし、安ければどこでもよいわけではありません。
時計修理専門店は、店舗によって得意分野、設備、使用部品、保証期間が異なります。
カルティエの修理実績、時計修理技能士の在籍、外装研磨の設備、防水試験機、修理後保証を確認してください。
店舗のウェブサイトにカルティエの料金が掲載されていても、すべてのモデルを受け付けているとは限りません。
見積もり時には、カルティエのモデル名、型番、ムーブメント、症状を伝え、受付可能かどうかを先に確認しましょう。
クオーツ式は受付を終了している専門店もある
カルティエには、タンク フランセーズ、パンテール、マストタンクなど、クオーツ式の人気モデルが数多くあります。
そのため、「カルティエ対応」と書かれた専門店なら、クオーツ時計も当然受け付けてもらえると思うかもしれません。
しかし、一部の時計修理専門店では、クオーツ式ムーブメントのオーバーホールや回路修理を受け付けていない場合があります。
機械式時計の分解整備には対応していても、クオーツ式は電池交換のみという店舗があります。
外装の新品仕上げのみという店舗もあります。
クオーツ式は、電子回路やモーターなど、機械式とは異なる部品を使用します。
回路の故障や専用ムーブメントの交換が必要になった場合、民間修理店では部品を確保できないことがあるためです。
クオーツ式カルティエの確認点
- ムーブメントの分解整備を受け付けているか
- 電子回路やモーターの修理に対応できるか
- 受付対象が外装研磨だけではないか
- 純正ムーブメントを手配できない場合の対応
- 型番と症状を伝えた個別確認
電池を交換しても動かないカルティエの場合は、「クオーツ式のオーバーホールができますか」とだけ聞くより具体的に質問しましょう。
「回路やムーブメントの故障にも対応できますか」と質問した方が分かりやすいですよ。
専門店へ依頼する前の注意点
- 純正部品を入手できない場合がある
- 互換部品や補修部品を使う可能性がある
- 最新モデルや特殊機構は受付対象外の場合がある
- クオーツ式の内部修理を受け付けていない場合がある
- 部品代、研磨、送料、防水検査が別料金の場合がある
- 修理後保証の対象外項目を確認する
見積もりは複数社で条件をそろえる
費用を抑えながら、専門店でのオーバーホールを検討したい場合は、最初から依頼先を1社に決める必要はありません。
時計の型番、症状、過去の修理歴、研磨の希望を伝え、同じ条件で見積もりを依頼すると判断しやすくなります。
ただし、実物を分解しないと分からない部品もあります。
事前の概算金額と正式見積もりが異なる可能性はあります。
追加部品が見つかった場合に、作業を止めて連絡してもらえるかも確認しておきましょう。
カルティエの受付条件を確認する
時計の状態や搭載ムーブメントによって受付可否が変わるため、まずは見積もり相談から始めましょう。
依頼時には、モデル名、型番、クオーツか機械式か、現在の症状、過去の修理歴を伝えるとスムーズです。
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※モデル、状態、交換部品によって料金や受付可否が異なります。クオーツ式を含め、正式な受付条件と金額は実物確認後の見積もりをご確認ください。
見積もりで確認すべき項目
正規サービスと時計修理専門店を比較するときは、見積もり総額だけを見るのではありません。
作業条件をそろえることが大切です。
一方には研磨と部品交換が含まれ、もう一方には基本の分解整備しか含まれていなければ、単純な金額比較はできません。
基本料金に含まれる作業を確認する
最初に確認したいのは、基本料金に含まれる作業です。
分解、洗浄、注油、組み立て、精度調整、防水検査、パッキン交換、外装洗浄、研磨がどこまで含まれているかを見ます。
「オーバーホール一式」と書かれていても、その内容は依頼先によって異なります。
防水時計の場合は、防水試験を実施するか、どの程度の防水性能を確認するかも重要です。
部品交換の理由を確認する
次に、交換部品の明細を確認します。
部品名、交換理由、必須か推奨か、純正部品か、交換しなかった場合の影響を聞いてください。
専門用語が分からない場合は、部品の役割を簡単に説明してもらいましょう。
「摩耗しているため交換」と書かれていても、今すぐ交換が必要なのか、次回の整備まで使用できる可能性があるのかで、判断は変わります。
ヴィンテージの文字盤や針を交換する場合は、交換後の部品が返却されるかも重要です。
正規修理では旧部品が回収され、返却されないケースが多いため、見積もりへ同意する前に確認してください。
修理後保証の対象範囲を確認する
修理後保証が1年または2年と書かれていても、すべての不具合が対象になるとは限りません。
オーバーホールを行ったムーブメントの不具合だけが対象の場合があります。
落下、水入り、外装、革ベルトなどは対象外になることがあります。
磁気帯びや使用方法による精度変化についても、保証対象外になる可能性があります。
保証期間だけでなく、何が保証されるのかを確認しましょう。
見積もり確認表
| 確認項目 | 質問の例 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 基本作業 | 分解、洗浄、注油、調整はすべて含まれますか | 料金に含まれる作業範囲をそろえるため |
| 交換部品 | 必須交換と推奨交換を分けて説明できますか | 不要な交換を避け、優先順位を判断するため |
| 使用部品 | 純正部品、互換部品、補修部品のどれですか | 将来の修理や資産価値へ影響する可能性があるため |
| クオーツ対応 | 回路やムーブメントの修理にも対応できますか | 電池交換や外装研磨だけの受付ではないか確認するため |
| 外装研磨 | 研磨なし、軽い研磨を選べますか | ケース形状や使用跡を残すため |
| 防水検査 | どのような試験を行いますか | 日常使用での安心感を確認するため |
| 修理保証 | 保証期間と対象範囲はどこまでですか | 再不具合時の対応を確認するため |
| 追加料金 | 追加費用が出る場合は作業前に連絡がありますか | 予算を超える作業を防ぐため |
| 納期 | 見積もり期間と作業期間は別ですか | 実際の返却時期を把握するため |
| キャンセル | 見積もりを断った場合の送料や手数料はいくらですか | 比較見積もりの費用を把握するため |
| 旧部品 | 交換した文字盤や針は返却されますか | オリジナル部品を失う可能性を確認するため |
研磨の希望は具体的に伝える
研磨については、「新品のようにしてください」と曖昧に伝えるより、傷をどこまで残したいのかを具体的に話した方が安心です。
深い傷まで完全に消したいのか、日常的な擦り傷を軽く整える程度でよいのか、研磨自体を行いたくないのかを伝えます。
サントスのベゼルやブレスレットは、鏡面と筋目の境目がデザインを支えています。
パンテールでは、細かなコマの形や面の仕上げが、ブレスレット全体の輝きに影響します。
研磨実績の写真があるか、カルティエ特有の形状を崩さず仕上げられるかも確認しましょう。
見積もりの考え方を基礎から確認したい方は、時計のオーバーホールとは何かを初心者向けに解説した記事も参考にしてください。
編集部のワンポイント
依頼前に知るべき注意点
発送と判断の注意点
依頼先が決まった後も、時計の発送方法、付属品、見積もり承認、修理後の保管まで確認しておきたい点があります。
店頭へ直接持ち込めない場合は、宅配キットを使って依頼する方法もあります。
便利な一方で、高級時計を配送するため、梱包方法や補償条件を慎重に確認しなければなりません。
また、修理費用が高額な場合は、修理だけでなく売却や買い替えも含めて考える方法があります。
郵送キット利用時の注意
近くにカルティエのブティックや時計修理専門店がない場合は、郵送や宅配キットによる依頼が便利です。
自宅から発送できるため、店舗まで移動する手間を減らせます。
ただし、高級時計を送るため、通常の荷物以上に梱包と補償を慎重に確認する必要があります。
時計が箱の中で動かないよう固定する
まず、配送中に時計が箱の中で動かないよう固定します。
ケースとブレスレットが接触すると、振動によって裏ぶたやブレスレットに傷が付く可能性があります。
金属ブレスレットの時計は、ブレスレットの内側と裏ぶたの間に柔らかい保護材を挟むと、接触傷を防ぎやすくなります。
時計全体を柔らかい布や袋で包み、専用ケースや十分な緩衝材で固定しましょう。
リューズやプッシュボタンへ直接力がかからないようにすることも大切です。
時計を箱の端へ置かず、周囲に余裕を持たせて中央付近へ固定します。
依頼先から専用キットが送られてきた場合は、自己流に変更せず、案内された手順に従ってください。
発送前の状態を写真と動画で残す
発送前には、時計の状態を写真で記録しておきましょう。
正面、裏ぶた、左右の側面、リューズ、バックル、ブレスレット全体などを撮影します。
もともと付いている傷やへこみが分かる角度でも撮っておくと安心です。
型番やシリアル番号も記録しますが、SNSや公開ページへ載せないようにしてください。
時計が動いている場合は、発送前の時刻や秒針の動きが分かる短い動画を残す方法もあります。
クロノグラフや日付機能に不具合がある場合は、その症状も動画にすると説明しやすくなります。
配送補償の上限を確認する
配送会社や配送方法によって、紛失や破損に対する補償上限は異なります。
時計の市場価値が補償上限を超えている場合、事故が起きても全額を補償してもらえない可能性があります。
高額品の発送が可能か、時計が補償対象に含まれるか、申告が必要かを事前に確認してください。
依頼先が指定する配送方法には、独自の補償が付いている場合があります。
自分で別の配送方法へ変更すると、補償対象外になる可能性もあるため、案内に従いましょう。
発送前のチェックリスト
- 配送補償の上限
- 正面、裏面、側面の写真
- シリアル番号と型番の記録
- 現在の症状と傷の位置
- 同梱物の一覧と写真
- キャンセル時の返送料と手数料
- 配送伝票の控えと追跡番号
外箱から中身が分からないようにする
外箱へ「カルティエ」「高級時計」「腕時計」など、中身が推測できる文字を大きく書くのは避けましょう。
カルティエ公式の修理キットを利用する場合、外側の配送箱へカルティエに関連する情報を記載しないことは、単なるおすすめではありません。
盗難などのリスクを抑えるために設けられた、安全上の重要な梱包ルールです。
カルティエのロゴが見える箱や、ブランド名が印刷された袋を、そのまま外装として使用しないでください。
純正の赤いボックスや内箱を使用する場合も、最終的には無地の配送用外箱へ収めます。
外側から中身やブランド名が分からない状態にしてください。
改ざん防止用のテープや指定された封印方法がある場合は、案内どおりに使用しましょう。
ただし、送り状の品名を偽るのではありません。
配送会社や依頼先が指定する方法に従い、補償条件を満たす表記にします。
カルティエ公式キットの梱包手順を優先
- 同封された説明書を最後まで確認する
- 内箱、保護箱、配送用外箱の順序を変えない
- 一番外側の箱にブランド名やロゴを記載しない
- 指定外の配送方法へ変更しない
- 封印や集荷方法に不明点があれば発送前に確認する
高級時計の配送では、「何を入れたか」だけでなく、「外から何が入っているように見えるか」もセキュリティの一部です。
きれいな純正箱だからといって、そのまま発送に使わないよう注意してください。
返却時もその場で状態を確認する
修理完了後に時計が戻ってきたら、箱を開ける前から動画を撮っておく方法もあります。
外箱の損傷、開封の様子、時計の状態、付属品、修理明細を連続して記録できます。
配送事故や同梱物の不足が疑われる場合の確認材料になるでしょう。
時計を受け取ったら、外装の傷だけでなく、時刻合わせ、日付変更、リューズ操作、バックルの開閉なども確認します。
防水性能を自分で水に浸けて試すことは避けてください。
明細に記載された検査結果を確認しましょう。
不明点や違和感があれば、使い続ける前に依頼先へ連絡してください。
自宅での軽いお手入れ
時計の外装は、乾いた柔らかいクロスで汗や皮脂を軽く拭く程度にとどめましょう。
縫い目のある革ベルトや、表面加工された素材は、強くこすると傷む可能性があります。
防水性が確認できていない時計を水洗いしたり、洗剤へ浸けたりするのは避けてください。
研磨剤入りクロスで強く磨くと、金属表面の仕上げやメッキへ影響する可能性があります。
※素材や表面処理によって使用できる用品が異なります。製品説明と時計メーカーの注意事項をご確認ください。
修理か売却かを判断する基準
カルティエの修理見積もりが10万円を超えると、「このまま直すべきか、売却して買い替えるべきか」と迷う方もいるでしょう。
文字盤、ガラス、リューズなどの交換が重なると、修理総額が中古時計の購入価格に近づくこともあります。
判断するときは、修理費用と現在の中古相場だけでなく、その時計を今後も使いたいかを考えることが大切です。
思い入れがある時計は金額だけで判断しない
家族から受け継いだ時計、記念日に購入した時計、すでに廃番になったモデルは、金額だけでは測れない価値があります。
修理費用が中古相場に近くても、自分にとって代わりがない時計なら、修理する意味は十分あります。
同じ型番を中古市場で買い直せても、あなたが所有してきた個体と同じ思い出までは買い戻せません。
その場合は、費用を市場価値だけでなく、今後何年使いたいかという視点で考えてみましょう。
たとえば、15万円の修理費用でも、その後10年間大切に使うなら、1年当たりの負担として考えることもできます。
今後使わない時計は修理前査定も検討する
一方、長年使っておらず、修理後も着用する予定がない場合は、修理前の状態で売却した方がよいこともあります。
高額な修理をしても、その修理費用がそのまま査定額へ上乗せされるとは限らないからです。
たとえば、10万円かけて修理しても、査定額が10万円以上上がるとは限りません。
買取店が自社の提携先で修理できる場合は、故障した状態でも一定の価値を付けることがあります。
修理を承認する前に、現状の査定額を確認すると、費用対効果を考えやすくなります。
中古市場の販売価格と買取価格は違う
中古販売店で同じモデルが50万円で販売されていても、あなたの時計が50万円で買い取られるわけではありません。
販売価格には、店舗の利益、整備費用、保証、在庫リスクなどが含まれています。
査定を考えるときは、販売価格ではなく、実際の買取査定額を確認してください。
モデル、素材、サイズ、文字盤、付属品、状態、修理歴によって評価は変わります。
修理か売却かの判断表
| 判断材料 | 修理が向く場合 | 売却検討が向く場合 |
|---|---|---|
| 思い入れ | 記念品や形見として残したい | 特別な思い入れが少ない |
| 使用予定 | 修理後も定期的に使いたい | 今後も使う予定がない |
| 修理費用 | 予算内で長期的に維持できる | 時計の価値に対して負担が大きい |
| 部品供給 | 純正修理が可能で状態回復を見込める | 必要部品がなく修復が難しい |
| 所有本数 | 代わりになる時計がない | 似た時計を複数所有している |
| 資産価値 | 正規整備を続けて所有したい | 相場が高いうちに手放したい |
| 生活環境 | 今後も着用する場面がある | サイズやデザインが今の生活に合わない |
査定は複数社で比較する
売却を考える場合でも、最初から1社だけの査定額で決めない方が安心です。
カルティエは、モデル、素材、サイズ、文字盤、付属品、修理歴によって評価が変わります。
タンク、サントス、パンテール、バロンブルー、パシャなど、店舗によって得意なモデルが違うこともあります。
時計専門店、ブランド品買取店、委託販売など、売却方法によっても手取り額や売却までの期間が変わります。
正規修理の見積もりを取ったうえで、修理前の査定額と修理後に期待できる査定額を聞くと、費用対効果を考えやすくなります。
ただし、修理後の査定額は将来の相場にも左右されます。
確実に上がると考えないようにしましょう。
修理前に現在の価値を確認する
カルティエの販売相場や買い替え候補を確認したい場合は、時計専門店の在庫価格も参考になります。
同じモデルでも、素材、サイズ、付属品、製造年によって価格が異なるため、近い条件の個体を確認しましょう。
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※販売価格と実際の買取価格は異なります。状態、付属品、市場相場によって価格は変動します。
修理費用と売却額を比較する
今後使う予定がない場合は、修理を承認する前に現状の査定額を確認する方法があります。
故障や電池切れがあっても査定できる場合があるため、先に修理する必要があるかを確認しましょう。
※査定額はモデル、状態、付属品、市場相場によって変わります。複数の情報を比較して判断してください。
修理と売却のどちらを選ぶ場合でも、焦って決める必要はありません。
正規サービスの見積もり、専門店の見積もり、現在の査定額を並べると、自分に合った選択が見えやすくなります。
修理を選ぶなら、どこまで外観を整え、どの部品を残したいかを決めます。
売却を選ぶなら、修理費用をかける前に複数社の査定を取り、手取り額を比較しましょう。
カルティエのオーバーホールに関するよくある質問(FAQ)
Q1. カルティエのオーバーホール料金はいくらですか?
A. 2026年7月時点のカルティエ公式価格ガイドでは、コンプリートサービスは70,400円以上と案内されています。
ただし、この金額はすべてのモデルに適用される一律料金ではありません。
クオーツ、手巻き、自動巻き、クロノグラフなどの機構に加え、交換部品、外装の状態、時計の年式によって総額は変わります。
近年はアフターサービス料金も改定されているため、時計を診断した後の正式な見積もりをご確認ください。
Q2. カルティエの無料オーバーホールキャンペーンはありますか?
A. 2026年7月時点で、すべてのカルティエ時計を対象にコンプリートサービスを無料にする恒常的な公式キャンペーンは確認できません。
無料の機能点検、店頭でのクリーニング、保証条件を満たした無償修理、過去の国際永久保証書が、無料オーバーホールと混同されている可能性があります。
情報を見つけた場合は、実施主体、対象モデル、受付期間、保証条件、無料になる作業範囲をご確認ください。
Q3. Cartier Careへ登録するとオーバーホールが8年間無料ですか?
A. Cartier Careは、通常2年間の国際保証を最大8年まで延長できる制度ですが、8年間いつでも予防的なオーバーホールを無料で受けられる制度ではありません。
最大8年の保証延長を希望する場合は、原則として購入日から2年以内に申請を完了する必要があります。
2年を過ぎた後もCartier Careへ登録できる場合がありますが、最大8年への延長保証を受けられなくなる可能性があります。
適用可否はカルティエの診断をご確認ください。
Q4. 正規サービスと時計修理専門店はどちらがよいですか?
A. 保証期間中の時計、最新の自社製ムーブメント、複雑機構、純正外装部品の交換が必要な時計は、正規サービスが有力です。
保証期間を終えたシンプルなモデルで費用を抑えたい場合は、カルティエの修理実績がある専門店も比較できます。
クオーツ式は内部修理を受け付けていない店舗もあるため、型番と症状を伝えて事前に確認してください。
ヴィンテージの文字盤や針を正規修理で交換する場合は、旧部品が返却されないケースも多いため、作業承認前に確認しましょう。
Q5. 動いているカルティエにもオーバーホールは必要ですか?
A. 正常に動いていても、内部の潤滑油や防水パッキンは時間とともに劣化します。
ただし、すべての時計を一律の年数でオーバーホールする必要があるとは限りません。
使用頻度、保管環境、精度、駆動時間、防水性を確認し、まずは機能点検を利用する方法があります。
急な精度悪化、駆動時間の短縮、曇り、異音、リューズの違和感がある場合は、推奨年数を待たず専門家にご相談ください。
まとめ
カルティエのオーバーホールで大切なこと
カルティエのオーバーホールでは、料金だけでなく、時計の機能と外装価値の両方を見ることが大切です。
正規サービスと時計修理専門店のどちらかを最初から決めつけず、時計の状態、保証、残したい部品、予算を整理して選びましょう。
- カルティエではオーバーホールを主にコンプリートサービスとして案内している
- コンプリートサービスでは分解、洗浄、調整、検査などが行われる
- 公式価格ガイドではコンプリートサービスは70,400円以上が目安
- 近年はアフターサービス料金も上昇傾向にある
- 基本料金とは別に文字盤やリューズなどの部品代が加わる場合がある
- クオーツ時計も電池交換だけで済まないケースがある
- 曇り、異音、急な精度悪化があれば年数を待たず相談する
- 一律の無料オーバーホール情報は公式案内で確認する
- 無料の機能点検と有料のコンプリートサービスは内容が異なる
- 一部のヴィンテージ時計には国際永久保証書が付属する場合がある
- Cartier Careの延長保証は購入日から2年以内の申請が重要
- 8年間いつでもオーバーホールが無料になる制度ではない
- クオーツ式の内部修理を受け付けていない専門店もある
- 正規修理で交換した旧部品は返却されないケースが多い
- 見積もりでは部品、研磨、防水検査、保証、送料を確認する
- 高額修理では修理前の査定額を確認する方法もある
- 郵送時は梱包、写真記録、配送補償を確認する
- カルティエ公式修理キットでは外箱にブランド情報を記載しない
カルティエは、単に時刻を確認するためだけの道具ではありません。
ケースの形、文字盤、針、リューズ、ブレスレットがひとつになって、カルティエらしい美しさが生まれています。
そのため、内部の機械が動くようになれば、どのような修理でもよいというわけではありません。
純正部品を重視するのか、古い文字盤を残したいのか、研磨で外観を整えたいのか、使用跡を残したいのかによって、適した依頼先は変わります。
費用が安いかどうかだけではなく、どの部品を残し、どのような状態で使い続けたいのかを考えて依頼先を選びましょう。
とくにヴィンテージ時計では、正規修理で交換した文字盤や針が返却されないケースがあります。
オリジナル部品を失ってから後悔しないよう、交換の必須性と旧部品の返却可否を、見積もり承認前に確認してください。
無料キャンペーンという言葉に飛びつく前に、無料になる作業の範囲を確認しましょう。
現在の公式案内、Cartier Careの保証条件、国際永久保証書の有無、正規サービスと専門店の見積もりを比べることが大切です。
Cartier Careの最大8年保証を希望する場合は、購入日から2年以内という期限を忘れないでください。
購入後すぐに登録しておけば、期限を過ぎて延長保証を受けられなくなるリスクを避けやすくなります。
見積もりを受け取ったら、基本料金だけでなく、交換部品、外装研磨、防水検査、納期、修理後保証まで確認します。
クオーツモデルを時計修理専門店へ出す場合は、電池交換や外装仕上げだけでなく、ムーブメントや回路の修理にも対応しているかを確認してください。
郵送キットを使う場合は、指定された梱包方法を守り、外側の配送箱からカルティエの時計だと分からない状態にすることも重要です。
修理費用が高額で今後使う予定がない場合は、修理を承認する前に現状の査定額を調べる方法もあります。
一方、思い入れのある時計なら、中古相場だけで修理の価値を決める必要はありません。
あなたがこれからも着けたいと思えるかどうかも、大切な判断基準です。
最後に確認してください
正確な料金、受付条件、保証範囲は変更される可能性があります。
カルティエ公式サイトや各依頼先で、最新情報をご確認ください。
最終的な判断は、時計の状態を実際に確認できる専門家へ相談したうえで行いましょう。
時計オーバーホール全体の判断基準はこちら
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