こんにちは、プライムラグジュアリーウォッチLabo 編集部です。
オメガのオーバーホールについて調べていると、正規サービスでは10万円を超える一方、時計修理専門店では2万円台や3万円台から案内されていることがあります。
これだけ金額に差があると、「安い専門店へ依頼しても大丈夫なのか」「正規料金には何が含まれているのか」「スピードマスターとシーマスターでは値段が違うのか」と不安になりますよね。
初めてオーバーホールへ出す場合は、ホームページに掲載されている基本料金が最終的な支払額なのか、それとも部品代や研磨代が追加されるのかも判断しにくいかなと思います。
結論から言うと、オメガのオーバーホール費用は、モデル、ムーブメント、搭載機能、ケース素材、部品の状態、依頼先によって大きく変わります。
同じオメガでも、クォーツの3針モデルと機械式クロノグラフでは、分解する部品数も調整に必要な時間も異なります。
さらに、コーアクシャル搭載モデルや高い防水性能を持つシーマスターは、単純な基本料金だけで依頼先を決めるべきではありません。
料金が安くても、搭載キャリバーに対応できない、防水検査の設備が十分ではない、必要な純正部品を調達できないという可能性があるためです。
反対に、すべてのオメガを正規サービスへ出すことだけが正解とも限りません。
古いスピードマスターやシーマスターでは、ヴィンテージ修理を得意とする専門店の方が、文字盤や針の風合いを残しながら柔軟に修理できる場合があります。
この記事では、オメガの正規料金と時計修理専門店の相場を比較しながら、費用に含まれる作業、追加料金が発生する理由、コーアクシャルや防水モデルの注意点まで詳しく解説します。
読み終えるころには、あなたのオメガを正規サービスと専門店のどちらへ相談すべきか、判断しやすくなっているはずですよ。
この記事でわかること
- オメガのオーバーホール費用相場
- 正規料金に含まれる作業内容
- シエンや五十君商店など専門店の違い
- モデル別に失敗しにくい依頼先の選び方
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オメガのオーバーホール費用相場

まずは費用相場の全体像を確認
オメガのオーバーホール費用を把握するときは、正規サービスと時計修理専門店を分けて考える必要があります。
正規サービスは基本料金が高いものの、交換部品、外装仕上げ、防水性の回復、修理後の保証まで含まれる包括的な内容です。
一方、時計修理専門店は基本料金を抑えやすい反面、ゼンマイやパッキンなどの交換部品、外装研磨、防水修理が別料金になることがあります。
そのため、インターネット上に掲載された開始価格だけを並べても、正確な比較にはなりません。
比較すべきなのは基本料金だけではなく、必要な作業をすべて含めた見積総額と、修理後に得られる保証や品質です。
まずは、正規サービスと時計修理専門店の価格帯がなぜ違うのかを理解し、そのうえで自分の時計に必要な整備内容を考えていきましょう。
正規料金と専門店の相場差
オメガのオーバーホール相場は、正規サービスではおおむね96,800円から198,000円程度、時計修理専門店では17,600円から66,000円程度の基本料金がひとつの目安です。
専門店の一般的な3針モデルに限れば、2万円前後から4万円前後で案内されるケースが多くなっています。
一方、コーアクシャルクロノグラフや複雑機構では、専門店でも5万円から6万円を超える基本料金になる場合があります。
金額だけを見ると、専門店は正規料金の半額以下になることもあります。
ただし、この差額をそのまま「専門店の方が正規サービスと同じ作業を安くしている」と考えるのは早いです。
正規サービスでは、ムーブメントの分解掃除だけでなく、メーカーが交換を必要と判断した消耗部品、ケースやブレスレットの洗浄、外装仕上げ、防水検査などがパッケージ化されています。
専門店では、オーバーホールの技術料を低く設定し、ゼンマイ、パッキン、リューズ、プッシュボタン、歯車、回路などを交換した場合に部品代を加算する方式が一般的です。
| 依頼先 | 基本料金の目安 | 料金に含まれやすい内容 | 追加料金になりやすい内容 |
|---|---|---|---|
| オメガ正規サービス | 96,800円~198,000円程度 | 分解掃除、純正消耗部品、精度調整、防水検査、外装仕上げ、サービス保証 | 文字盤、針、ベゼル、サファイアクリスタル、特殊部品、本国修復 |
| 時計修理専門店 | 17,600円~66,000円程度 | 分解、洗浄、組み立て、注油、精度調整、基本的な動作確認 | ゼンマイ、パッキン、リューズ、歯車、外装仕上げ、防水修理 |
| ヴィンテージ専門修理 | 35,000円~50,000円程度 | 分解掃除、精度調整、古い部品の修復相談 | 部品製作、文字盤修復、ケース修正、特殊な防水処置 |
たとえば、手巻きのスピードマスター・プロフェッショナルは、正規サービスの基本料金が165,000円程度になる一方、時計修理専門店では4万円前後から案内される場合があります。
この段階では10万円以上の差がありますが、専門店でゼンマイ、パッキン、プッシュボタンを交換し、ケースとブレスレットの新品仕上げを追加すると、最終的な支払額が5万円から8万円前後になることもあります。
それでも正規サービスより安く収まるケースは多いものの、最初に見た基本料金だけで修理が終わるとは限りません。
シーマスターでも同様です。
機械式3針モデルの専門店料金が22,000円からと表示されていても、ねじ込みリューズやケース側のチューブが摩耗していれば、部品交換だけで数万円が追加される可能性があります。
防水性を回復するためにケースパッキン、裏ぶたパッキン、リューズ、エスケープバルブ周辺の部品をまとめて交換すると、最終金額は想像より高くなるかもしれません。
注意:最安料金だけで判断しない
最安料金だけで比較するのは危険です。
同じ「オーバーホール」という名称でも、パッキン交換、防水検査、外装仕上げ、修理保証、交換部品の範囲が異なります。
見積もりを比べるときは、作業項目をそろえたうえで総額を確認してください。
また、オーバーホールの頻度も長期的な費用に影響します。
仮に8年ごとに整備し、1回の正規料金を165,000円とすると、24年間で3回、基本料金だけでも495,000円です。
同じ期間に専門店へ3回依頼し、1回の総額が70,000円だった場合は210,000円となり、単純計算では285,000円の差になります。
ただし、専門店では入手できない部品が故障した場合や、防水性をメーカー基準まで戻せない場合は、途中で正規サービスへ切り替える可能性があります。
長期コストを考えるときも、金額だけではなく、修理の確実性や部品供給まで含めて判断することが大切です。
オーバーホールと部分修理の違いが曖昧な場合は、先にオーバーホールと修理の違いを確認しておくと、見積書の内容を理解しやすくなります。
値段を左右する主な要因
費用はモデル名だけでは決まらない
オメガのオーバーホール値段を左右する最大の要因は、ムーブメントの種類です。
一般的には、クォーツ、機械式3針、クロノグラフ、コーアクシャルクロノグラフの順に構造が複雑になり、基本料金も高くなる傾向があります。
ただし、単純な3針モデルでも、水入りや強い衝撃によって複数の部品が損傷していれば、クロノグラフより高額になることがあります。
反対に、複雑なスピードマスターでも定期的に整備され、内部の状態が良好なら、基本料金と少数の消耗部品だけで済む場合があります。
つまり、モデル名は費用の出発点にはなりますが、最終金額を決めるのは時計を開けた後にわかる内部状態です。
| 費用を左右する要因 | 金額が上がりやすい状態 | 確認方法 |
|---|---|---|
| ムーブメント | クロノグラフ、複雑機構、自社製コーアクシャル | 保証書、型番、搭載キャリバーを確認 |
| 内部部品 | 油切れ、摩耗、変形、サビ、水入り | 分解後の見積もりと写真を確認 |
| 外装部品 | リューズ、風防、ベゼル、針、文字盤の交換 | 交換対象と部品代を見積書で確認 |
| 防水性能 | パッキン劣化、ケース変形、チューブ摩耗 | 防水検査の有無と保証範囲を確認 |
| 外装仕上げ | 深い傷、打痕、複雑なケース形状 | 研磨料金と仕上げ方法を確認 |
クロノグラフ機能の有無
ストップウォッチ機能を持つクロノグラフは、3針モデルより使用する部品が多く、分解、洗浄、組み立て、調整に時間がかかります。
クロノグラフを作動させるためには、スタート、ストップ、リセットを制御するレバー、カム、歯車、クラッチなどが必要です。
これらが正確に連動しなければ、クロノグラフ秒針が動かない、途中で止まる、リセットしてもゼロ位置へ戻らないといった不具合が起きます。
通常の時刻表示が合っていても、クロノグラフ部分の調整が不十分では、完全な整備とは言えません。
スピードマスターの費用がシンプルなデ・ヴィルやコンステレーションより高くなりやすいのは、この構造の違いが大きな理由です。
さらに、同じスピードマスターでも、手巻き、自動巻き、日付表示、曜日表示、コーアクシャルの有無によって難易度が変わります。
古典的な手巻きスピードマスターと、コーアクシャルを搭載した現行世代のクロノグラフでは、必要な技術、工具、交換部品の調達環境が同じではありません。
「スピードマスターは一律いくら」と考えず、正確な型番やキャリバーを伝えて見積もりを依頼しましょう。
修理店へ伝えたい症状
クロノグラフの不具合がある場合は、時刻表示だけでなく、スタート、ストップ、リセット時の症状も修理店へ伝えてください。
秒針が動かない、リセット位置がずれる、ボタンが重いなど、症状を具体的に伝えるほど、見積もり前の案内が正確になりやすいですよ。
時計内部の摩耗やサビ
機械式時計の内部では、小さな歯車や軸が動き続けています。
摩擦を抑えるために複数の箇所へ潤滑油が使われていますが、時間が経過すると油は劣化し、粘度が変化したり、必要な場所から移動したりします。
潤滑状態が悪いまま使い続けると、歯車の軸と受け石が直接擦れ、少しずつ摩耗します。
初期段階では日差が大きくなる程度でも、摩耗が進むとゼンマイを十分に巻いても短時間で止まる、異音がする、リューズの感触が重いといった症状が出ることがあります。
摩耗した部品は洗浄や注油だけでは元へ戻りません。
歯車、軸、香箱、切替車などの交換が必要になり、オーバーホールの基本料金へ部品代が上乗せされます。
さらに注意したいのが水分です。
風防の内側が曇るほど湿気が入っている場合は、ムーブメント内部にサビが広がっている可能性があります。
リューズを引いたまま放置した、海水がかかった、温度差の激しい場所で使用したなど、思い当たることがある場合は早めに点検を依頼してください。
海水が入った時計は、乾燥して曇りが消えても塩分が内部に残る可能性があります。
見た目が戻ったからといって使い続けると、文字盤の裏側やムーブメントの部品で腐食が進むかもしれません。
動いているから問題ないとは限らず、異音、時間の大幅なズレ、リューズの重さ、風防の曇りがある場合は早めの点検が必要です。
水滴や曇りが見えたときの注意
風防の内側に水滴や曇りが見える場合は、リューズやボタンを操作せず、できるだけ早く正規サービスまたは時計修理専門店へ相談してください。
ドライヤーで温めたり、自分で裏ぶたを開けたりすると、状態を悪化させる可能性があります。
リューズや外装部品の交換
リューズ、プッシュボタン、ベゼル、風防、文字盤、針などに不具合があると、分解掃除とは別に部品交換費用が発生します。
なかでも、ねじ込み式リューズを採用するシーマスターでは、リューズ本体だけでなく、ケース側のチューブが摩耗している場合があります。
リューズをねじ込んでも固定されない、途中で空回りする、斜めに入るといった症状がある場合は、無理に締め込まないでください。
ねじ山がさらに傷み、防水性を回復するための交換範囲が広がる可能性があります。
スピードマスターでは、クロノグラフのプッシュボタン、プラスチック風防、タキメーターベゼルの状態も費用へ影響します。
深い傷やひび割れがある風防は、研磨では対応できず交換になることがあります。
文字盤や針に腐食がある場合も、見た目だけの問題とは限りません。
劣化した夜光塗料や塗装片が剥がれ、ムーブメントへ入る可能性があるため、修理店から交換を提案される場合があります。
ただし、ヴィンテージモデルでは、文字盤や針を交換することでオリジナル性が失われる可能性があります。
使いやすさを優先して交換するのか、多少の劣化があっても当時の部品を残すのか、見積もりの段階で決めておきましょう。
特にオメガ独自の外装部品や新しい自社製ムーブメントの部品は、一般の専門店では入手できないことがあります。
専門店で分解掃除はできても、必要な部品が調達できず、最終的に正規サービスを案内されるケースもあります。
◆プライムラグジュアリーウォッチLabo 編集部のワンポイントアドバイス
オメガの正規料金とサービス内容

正規料金に含まれる作業を確認
オメガの正規メンテナンスは、「コンプリートメンテナンスサービス」と呼ばれています。
単純な分解掃除だけではなく、機能、精度、防水性、外観をメーカー基準へ近づけることを目的とした包括的なサービスです。
基本料金は時計修理専門店より高めですが、メーカー専用部品を使用できること、幅広いキャリバーへ対応できること、整備内容が一定の基準で管理されていることが強みです。
特に、購入から年数が浅い現行モデル、自社製コーアクシャル、マスタークロノメーター搭載モデルでは、有力な選択肢になります。
正規料金を見ると高く感じるかもしれませんが、料金に含まれる作業を分解して考えると、専門店との違いが見えやすくなります。
機械式とクォーツの正規料金
2026年時点で確認できる公示価格を基準にすると、正規料金はムーブメントとケース素材によって次のように分かれます。
時計の状態や特殊仕様によって個別見積もりになる場合があるため、以下はあくまで一般的な目安としてご覧ください。
| 時計の種類 | 非貴金属モデル | 貴金属・コンビモデル |
|---|---|---|
| クォーツ・クロノグラフ以外 | 96,800円 | 124,300円 |
| 機械式・クロノグラフ以外 | 126,500円 | 154,000円 |
| クォーツ・クロノグラフ | 115,500円 | 148,500円 |
| 機械式・クロノグラフ | 165,000円 | 198,000円 |
たとえば、ステンレス製のシーマスターやアクアテラの機械式3針モデルは126,500円程度、スピードマスターの機械式クロノグラフは165,000円程度がひとつの目安です。
クォーツモデルは機械式より部品数が少なく、通常は基本料金が抑えられています。
ただし、電子回路やコイルなどの部品交換が必要になると、分解掃除だけの場合より高額になる可能性があります。
また、クォーツ時計は「電池を交換すれば永久に使える」と思われがちですが、歯車、パッキン、リューズなどの機械部品も使われています。
電池交換を繰り返していても、油の劣化や防水性の低下が起こるため、長期間使用している場合は点検が必要です。
ゴールドやプラチナを使用したモデル、貴金属とのコンビモデルは、同じムーブメントでも料金が高くなります。
外装の取り扱いや仕上げに高い注意が必要になることに加え、貴金属専用部品の価格が異なるためです。
トゥールビヨン、ポケットウォッチ、特殊なヴィンテージモデルなどは通常料金の対象外となり、個別見積もりになる場合があります。
修復作業がスイス本国で行われる場合は、通常のコンプリートメンテナンスより高額になり、納期も長くなる可能性があります。
正規料金は依頼時に再確認
料金は予告なく改定されることがあるため、上記はあくまで一般的な目安です。
正確な情報は、依頼時点でオメガ公式「サービスと料金」、正規販売店、正規サービスセンターへ確認してください。
正規料金を確認するときは、時計のケース素材も見落とさないようにしましょう。
ステンレスに見えても、ベゼルやリューズにゴールドが使われているコンビモデルは、貴金属区分になる可能性があります。
型番がわからない場合は、保証書や購入時の明細を用意して正規店へ相談するとスムーズです。
正規修理に含まれる作業
オメガ正規サービスの強みは、基本料金だけを見るとわかりにくい作業範囲の広さです。
時計をケースとムーブメントに分け、ムーブメントを細かな部品へ分解した後、それぞれの部品を洗浄します。
洗浄後は摩耗、変形、サビ、破損の有無を確認し、メーカー基準を満たさない部品を交換します。
その後、指定された箇所へ適切な量の潤滑油を使用しながら組み立て、歩度や振り角、各機能を調整します。
クロノグラフの場合は、通常の時刻表示に加え、スタート、ストップ、リセットなどの動作も確認されます。
日付や曜日、GMTなどの機能があるモデルでは、それぞれの切り替え動作も検査対象です。
ケースとブレスレットの洗浄や軽い外装仕上げも基本サービスに含まれるため、内部だけでなく外観も整いやすいです。
ただし、深い傷や打痕は、ケースの形状を崩さない範囲では完全に消せないことがあります。
傷をすべて消すことを優先すると金属を多く削る必要があるため、メーカー基準では形状を守ることが優先される場合があります。
| 主な工程 | 作業内容 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 受け付け・診断 | 外観、精度、操作性、防水性、故障症状を確認 | 見積もり前に希望を伝える |
| 分解・洗浄 | ケースとムーブメントを分け、部品単位で洗浄 | 水入りやサビの有無 |
| 部品交換 | 摩耗部品や消耗部品を純正部品へ交換 | 別料金となる部品を確認 |
| 組み立て・注油 | メーカー基準に沿って組み立てと注油 | 搭載キャリバーに応じた調整 |
| 精度・機能検査 | 歩度、持続時間、各機能を確認 | 修理後の精度保証 |
| 外装・防水 | ケース洗浄、仕上げ、パッキン交換、防水検査 | 研磨不要の場合は事前に伝える |
| 最終検品 | 一定期間動作させ、総合的に検査 | 保証期間と保証対象 |
一般的には、各種ガスケット、リューズ、プッシュボタン、エスケープバルブなど、メーカーが必要と判断した消耗部品もサービス範囲に含まれます。
これらの部品は防水性や操作性に直結するため、見た目に問題がなくても交換されることがあります。
ただし、サファイアクリスタル、文字盤、針、ベゼル、ブレスレットなど、状態や部品の種類によっては別料金になる可能性があります。
見積もりが届いたら、基本料金以外に追加されている部品名を確認しましょう。
文字盤や針の交換が提案されている場合は、機能上必要なのか、外観を新品に近づけるための提案なのかを聞いておくと判断しやすいです。
正規サービスの主なメリット
メーカー純正部品を使用できること、専用設備で検査されること、幅広い現行キャリバーへ対応できること、修理後に24か月のサービス保証が付くことです。
新しい自社製コーアクシャルや防水性を重視するモデルでは、費用以上に安心感を得やすい選択肢かなと思います。
正規メンテナンスの明細書や履歴は、売却時に時計の管理状態を説明する資料として役立つ場合もあります。
中古時計を購入する人にとって、いつ、どこで、どのような整備が行われたのかがわかる資料は安心材料になります。
ただし、正規修理を受けたから必ず買取価格が上がるわけではありません。
時計の型番、需要、ケースや文字盤の状態、箱や保証書の有無、市場相場なども査定へ影響します。
特にヴィンテージモデルでは、正規修理で文字盤や針が交換されたことが、コレクター評価へマイナスに働く可能性もあります。
将来の売却を考えている場合は、「正規修理だから安心」という一面だけでなく、オリジナル部品をどこまで残すかも意識してください。
正規店の納期と注意点
オメガ正規サービスの納期は、通常の整備で1か月前後からが目安ですが、部品の在庫や修理内容によって長くなることがあります。
時計を預けてすぐに作業が始まるわけではなく、受け付け、診断、見積もり、承認、部品手配、修理、最終検査という工程があります。
繁忙期や部品の入荷待ちが重なると、見積もりが出るまでに時間がかかる場合もあります。
スイス本国での作業や特殊部品の取り寄せが必要になると、2か月から3か月以上かかる可能性もあります。
ヴィンテージモデルの修復や特殊機構では、半年以上預けるケースも想定しておいた方がよいでしょう。
正規の修復サービスは通常のオーバーホールとは料金体系が異なり、最低価格が256,300円程度から案内される区分があります。
さらに、メカニカルモデルの本格的な修復作業では、572,000円程度からとなる区分もあり、時計の状態によっては本体価格に近い修理費用になる可能性があります。
これは単純な分解掃除ではなく、入手困難な部品への対応や、スイス本国での専門的な修復を含むためです。
ヴィンテージの本国修復は高額になる場合がある
ヴィンテージモデルを正規サービスへ依頼する場合は、通常のコンプリートメンテナンス料金が適用されるとは限りません。
本国修復へ移行した場合の最低価格、納期、文字盤や針の交換方針を、見積もり承認前に必ず確認してください。
毎日使っている時計を預ける場合は、納期だけでなく、見積もりが出るまでの期間、修理を断った場合の返却条件、キャンセル料の有無も確認しておきましょう。
見積もりを承認して部品を発注した後は、修理内容の変更やキャンセルが難しくなる場合があります。
もうひとつ注意したいのが、外装仕上げと部品交換です。
正規サービスはメーカー基準への回復を重視するため、古い針や文字盤、リューズなどが新しい代替部品へ交換される場合があります。
ヴィンテージモデルでは、交換によって視認性や防水性が改善する一方、当時の部品や経年変化が失われる可能性があります。
ケース研磨も同じです。
細かな傷が消え、見た目が整うメリットはありますが、すでに何度も研磨されているケースでは、さらに金属を削ることでエッジや面の形が変わる可能性があります。
交換や研磨の希望は承認前に伝える
文字盤や針を残したい場合、外装を研磨したくない場合、交換した旧部品を返却してほしい場合は、見積もりを承認する前に希望を明確に伝えてください。
依頼後では元の状態へ戻せない作業もあります。
正規店へ持ち込む前には、時計の状態を写真で残しておくと安心です。
ケースの傷、文字盤、針、ブレスレット、裏ぶたを撮影しておけば、修理前後の違いを確認しやすくなります。
箱や保証書を一緒に預ける必要がない場合は、紛失リスクを避けるため、自宅で保管しておきましょう。
スウォッチグループ全体の正規修理体制や並行輸入品の扱いが気になる場合は、スウォッチグループの修理体制とブランド構成も参考になります。
オメガ専門店の料金比較

主要専門店の料金と強みを比較
費用を抑えたい場合は、オメガの修理実績を持つ時計修理専門店も有力な選択肢です。
スピードマスターやシーマスターは国内での流通量が多く、古くから使われているムーブメントであれば、経験豊富な専門店が対応できるケースも少なくありません。
正規サービスより基本料金を抑えやすく、納期が3週間から4週間程度と短い店もあります。
また、外装研磨を付けるかどうか、交換部品をどこまで増やすか、ヴィンテージの外観を残すかなど、希望を相談しやすい点もメリットです。
ただし、店舗によって受付可能なキャリバー、純正部品の在庫、保証期間、防水検査の設備が異なります。
専門店を選ぶときは、料金の安さよりも「あなたのオメガを実際に修理できるか」を最初に確認してください。
シエンの料金と強み
シエンは、メーカー修理部門出身者や1級時計修理技能士が在籍し、オメガ専属の担当技師による整備を掲げている時計修理専門店です。
店舗への持ち込みだけでなく宅配修理にも対応しているため、近くに修理店がない場合でも見積もりを依頼できます。
オメガのオーバーホールは22,000円から案内されており、機械式クロノグラフや手巻きスピードマスターにも料金区分が設けられています。
| タイプ | オーバーホール | 新品仕上げセット |
|---|---|---|
| クォーツ3針 | 22,000円 | 33,000円 |
| 機械式3針 | 22,000円 | 33,000円 |
| 自動巻きクロノグラフ | 33,000円 | 44,000円 |
| 手巻きクロノグラフ | 38,500円 | 49,500円 |
新品仕上げをオーバーホールと同時に依頼すると、単独で依頼するより費用を抑えやすい点も特徴です。
シエンの外装仕上げは「プレミアムポリッシュ」として案内されており、単にケース全体を光らせる作業ではありません。
オメガのケースには、鏡のように反射する鏡面部分と、細かな筋目が入ったヘアライン部分が複雑に使い分けられているモデルがあります。
スピードマスターではケース側面とラグ周辺、シーマスターではベゼル、ケース、ブレスレットなど、それぞれ異なる仕上げが組み合わされています。
この境界を崩さず、鏡面とヘアラインを再現するには、ケース形状とオリジナルの仕上げを理解した研磨技術が必要です。
ただ全体を磨いて光らせるだけでは、ヘアラインが消えたり、ケースの角が丸くなったりする可能性があります。
オーバーホールと外装仕上げを同時に依頼したい人にとって、オメガ特有の鏡面とヘアラインを意識した仕上げは、シエンを比較候補に入れる理由のひとつです。
ただし、深い傷や打痕は、ケースの形を守るために完全には消さない場合があります。
研磨回数が多いヴィンテージモデルでは、あえて新品仕上げを行わない選択も大切です。
パッキン、ゼンマイ、歯車、回路などの交換が必要になれば、基本料金とは別に部品代が追加されます。
過去の修理事例では、部品交換と新品仕上げを含めた総額が5万円台から7万円台になるケースが見られます。
たとえば、手巻きクロノグラフの基本料金38,500円に新品仕上げ11,000円、パッキン1,100円、ゼンマイ5,500円が加わると、総額は56,100円です。
自動巻きクロノグラフで複数の歯車や自動巻き部品を交換する場合は、7万円を超える可能性もあります。
それでも正規料金より抑えられる場合がありますが、時計の状態によって差額は変わります。
新品仕上げで確認したいこと
新品仕上げは、すべての傷を完全に消すサービスではありません。
深い打痕を無理に消すとケース形状へ影響するため、どの程度まで仕上げるのか事前に確認しておきましょう。
シエンを検討するときも、表示されている基本料金だけでなく、交換部品を含めた見積総額で正規サービスと比較することが大切です。
見積もりでは、交換部品の名称、部品が純正かどうか、防水検査の範囲、修理後保証、納期を確認してください。
また、自分の時計がコーアクシャルの場合は、キャリバー番号を伝え、現在受け付け可能かを先に確認した方がスムーズです。
まずは無料見積もりで総額を比較
正規料金と専門店料金を具体的に比べたい方は、まず無料見積もりを取ってみると判断しやすくなります。
時計のモデル名、型番、症状、希望する外装仕上げの有無を伝えると、比較しやすい見積もりになります。
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五十君商店の料金と実績
「オメガ オーバーホール 五十君」で検索されることが多い五十君商店は、長い時計修理歴を持つ専門店です。
複数の実店舗に加え、宅配修理にも対応しているため、近くに高級時計の修理店がない人でも利用できます。
五十君商店の公開料金では、クォーツ3針が19,800円から、クォーツクロノグラフが38,500円から案内されています。
機械式では、機械式3針が38,500円から、機械式クロノグラフが44,000円からとなっています。
| 時計のタイプ | オーバーホール基本料金 |
|---|---|
| クォーツ3針 | 19,800円~ |
| クォーツクロノグラフ | 38,500円~ |
| 機械式3針 | 38,500円~ |
| 機械式クロノグラフ | 44,000円~ |
スピードマスターのような機械式クロノグラフでは、44,000円からが現在の基本料金を考えるうえでの目安になります。
ただし、スピードマスターでも搭載キャリバー、製造年代、複雑機構の有無によって個別見積もりになる場合があります。
五十君商店の特徴は、一般的な現行モデルだけでなく、部品供給が終了したヴィンテージモデルの相談にも対応している点です。
古い時計では、メーカーが交換部品を保有していないケースがあります。
そのような場合でも、手元にある部品を修復する、保有している適合部品を探す、必要に応じて部品を製作するといった方法を検討できることがあります。
もちろん、すべての部品を必ず作れるわけではありません。
文字盤の大きな損傷、ケースの腐食、特殊なムーブメント部品など、状態によっては修理できない場合もあります。
それでも、正規サービスで通常修理の対象外になったオメガを相談できる選択肢があるのは、ヴィンテージ所有者にとって心強い部分です。
| 修理事例の例 | 主な作業内容 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| スピードマスター | オーバーホール、ゼンマイ、内部部品 | 49,500円程度 |
| スピードマスター | オーバーホール、ゼンマイ、外装仕上げ | 63,800円程度 |
| シーマスター | 特殊オーバーホール、ゼンマイ、複数部品 | 66,000円程度 |
| ヴィンテージシーマスター | オーバーホール、ゼンマイ | 58,300円程度 |
公開されている過去の事例では、スピードマスターのオーバーホールとゼンマイ交換で49,500円、外装仕上げを含めて63,800円になったケースなどがあります。
ただし、公開されている修理事例の基本技術料と、現在の公開基本料金が完全に一致するとは限りません。
修理事例が公開された時期、時計のキャリバー、個別見積もりの内容によって料金が異なるためです。
現在の基本料金が44,000円からであっても、過去の修理事例に40,000円の技術料が記載されている場合があります。
実際に依頼するときは、過去の事例をそのまま自分の修理金額と考えず、最新の個別見積もりを確認してください。
ヴィンテージのシーマスターやデ・ヴィルでは、基本料金が現行モデルより高めに設定される場合があります。
古い時計は部品の入手が難しく、分解時に部品を傷めないための慎重な作業も必要になるためです。
修理期間も、一般的な現行モデルより長くなることがあります。
部品を探す期間や製作する期間が必要になれば、数か月かかる可能性も考えておきましょう。
◆プライムラグジュアリーウォッチLabo 編集部のワンポイントアドバイス
主要専門店の費用目安
オメガに対応する時計修理専門店は複数あり、それぞれ料金や得意分野が異なります。
短納期を得意とする店、外装仕上げに力を入れている店、コーアクシャルの料金区分を公開している店、ヴィンテージ修理へ対応する店など、特徴はさまざまです。
以下は公開料金を基にした一般的な目安であり、最新料金や受付条件は各社へ確認してください。
| 専門店 | 一般的な基本料金 | 特徴 | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| シエン | 22,000円~38,500円程度 | オメガ担当技師、プレミアムポリッシュ | コーアクシャルの受付状況 |
| 五十君商店 | 19,800円~44,000円程度 | 豊富な修理実績、ヴィンテージ相談 | 特殊部品の修復・製作費 |
| WATCH COMPANY | 22,000円~38,500円程度 | 短納期を重視、外装仕上げ対応 | 対応できない自社製キャリバー |
| オロロジャイオ | 17,600円~55,000円程度 | コーアクシャル用の料金区分あり | 部品交換後の総額 |
| ウォッチ・ホスピタル | 19,800円~66,000円程度 | コーアクシャル対応区分、進行状況の確認 | キャリバー別の対応可否 |
表を見ると価格差が目立ちますが、安い店が必ずしも劣っているわけではなく、高い店がすべてのモデルに対応できるとも限りません。
基本料金の差は、店舗運営の方法、受付体制、技術者数、外注の有無、保証期間、部品在庫などによって生まれます。
比較するときは、オメガの修理実績、担当技師の資格、使用部品、防水検査、修理後保証、キャンセル時の費用まで確認してください。
1級時計修理技能士が在籍していることは、技術力を判断する材料のひとつです。
ただし、資格があるだけで、すべてのオメガやコーアクシャルに対応できるわけではありません。
あなたが依頼するモデルと同じシリーズやキャリバーの修理実績があるかも確認しましょう。
特に「純正部品を使用」と書かれている場合でも、すべての部品を常時入手できるとは限りません。
パッキンやゼンマイなどは調達できても、テンプ一式、シリコン製部品、文字盤、針、ベゼルなどは供給されない場合があります。
新しい自社製キャリバーやシリコン部品はメーカーから外部供給されない場合があり、専門店が受付後にメーカー修理を案内することもあります。
宅配修理を利用する場合は、輸送時の補償も確認してください。
無料宅配キットが用意されていても、配送中の紛失や破損に対する補償上限はサービスによって異なる可能性があります。
高額なモデルを送る場合は、時計の時価に対して十分な補償があるか聞いておくと安心です。
専門店の料金比較で見落としやすい項目
専門店の料金は、基本料金、部品代、外装仕上げ、送料、見積もりキャンセル料を合計して比較してください。
「2万円から」という表示だけで、最終金額が2万円になるとは限りません。
見積もり承認後に追加費用が発生する場合の連絡方法も、事前に確認しておきましょう。
専門店を比較するときのチェック項目
同じモデルの修理実績、搭載キャリバーへの対応、部品の種類、防水検査、保証期間、納期、送料、キャンセル条件を同じ順番で確認すると比較しやすいです。
モデル別の依頼先選び

モデルとキャリバーに合う依頼先を選ぶ
オメガには、手巻きクロノグラフ、一般的な自動巻き、クォーツ、コーアクシャルなど、構造の異なる時計があります。
同じシーマスターやスピードマスターでも、製造年代や搭載キャリバーによって、専門店で対応できる範囲が変わります。
たとえば、長く修理されてきた汎用性の高いムーブメントは専門店でも対応しやすい一方、新しい自社製ムーブメントはメーカー専用部品が必要になる場合があります。
また、防水モデルとヴィンテージモデルでは、整備で重視するポイントも異なります。
依頼先を選ぶ前に、保証書、裏ぶた、購入時の資料などから、リファレンス番号やキャリバーを確認しておきましょう。
番号がわからない場合は、時計の正面と裏面の写真を修理店へ送り、対応可能か確認する方法もあります。
コーアクシャルは実績重視
コーアクシャル脱進機は、一般的な脱進機より摩擦を抑えることを目的としたオメガ独自の機構です。
一般的なスイスレバー脱進機とは力の伝え方が異なり、摩擦や潤滑への依存を抑えながら、長期間の安定した精度を目指しています。
機構上の特性だけを見ると、一般的な機械式時計よりオーバーホールの間隔を延ばしやすく、8年から10年程度の長期的な整備サイクルが期待されると説明されることもあります。
これは、コーアクシャル脱進機が滑り摩擦を抑え、脱進機周辺の摩耗や油の影響を減らす設計だからです。
ただし、コーアクシャルの摩耗が少ないことと、時計全体を8年から10年間点検しなくてよいことは同じ意味ではありません。
脱進機以外には、香箱、歯車、自動巻き機構、リューズ、パッキンなど、多くの部品が使われています。
これらの部品や潤滑油は、通常の機械式時計と同じように経年劣化します。
特に防水性を保つパッキンは、コーアクシャル機構とは関係なく硬化や変形が進みます。
そのため、実際の使用では、5年から8年程度をひとつの点検目安として考え、時計の状態や防水性を確認する方法が現実的です。
コーアクシャルの周期を考えるポイント
ムーブメント自体には8年から10年程度の長期サイクルを期待できる可能性がありますが、防水性、パッキン、使用環境まで考えると、5年から8年程度で点検を受けると安心です。
毎日着用する時計、海や水辺で使う時計、強い振動を受ける環境で使う時計は、保管中心の時計より早めの点検が必要になるかもしれません。
反対に、使用頻度が低く、温度や湿度が安定した場所で適切に保管されている時計は、状態を確認しながら整備周期を調整できる場合があります。
年数だけで機械的に判断するのではなく、日差、持続時間、巻き上げの感触、リューズの操作性、防水検査の結果を見て判断してください。
初期から中期のCal.2500系などは、対応実績を持つ専門店が比較的多くあります。
ETA系のムーブメントを基礎とした世代で、長年の修理事例が蓄積されているためです。
ただし、同じCal.2500系でも世代や部品の状態によって修理内容は変わります。
「2500系ならどの店でも大丈夫」とは考えず、実際の対応実績を確認してください。
一方、Cal.8500系、Cal.8900系、Cal.9300系などの自社製ムーブメントは、専用部品や調整設備の問題から、受付できる専門店が限られます。
マスタークロノメーター認定モデルでは、耐磁性能を高めるためにシリコンや非磁性素材が使われています。
部品が破損した場合、部分的な修正ではなくユニット単位の交換が必要になることもあります。
専門店に技術があっても、交換部品を入手できなければ修理は完了できません。
同じ「コーアクシャル対応」と書かれていても、すべてのキャリバーを修理できるとは限らない点に注意してください。
| キャリバーの例 | 専門店での対応傾向 | 依頼前の確認 |
|---|---|---|
| Cal.2500系 | 対応実績を持つ専門店が比較的多い | 世代別の実績と部品在庫 |
| Cal.8500系 | 店舗によって対応可否が分かれる | 自社製コーアクシャルの受付状況 |
| Cal.8900系 | 正規サービスが確実な場合が多い | マスタークロノメーター対応 |
| Cal.9300系 | 対応できる専門店が限られる | コーアクシャルクロノグラフの実績 |
見積もり前に確認したいこと
搭載キャリバーの対応実績、純正部品の調達可否、コーアクシャルの調整設備、修理後の精度保証、対応できない故障が見つかった場合の返却条件を確認しましょう。
比較的新しいマスタークロノメーター搭載モデルや、メーカー独自部品の交換が必要な時計は、正規サービスの方が結果的に確実な場合があります。
最初に専門店へ送り、対応不可で返却された後に正規サービスへ出すと、時間と送料が余計にかかります。
型番やキャリバーを伝えた段階で対応が難しいと言われた場合は、無理に安い店を探し続けず、正規サービスを選ぶのも合理的です。
アクアテラの機構や維持費も含めて検討したい場合は、オメガ シーマスター アクアテラの特徴と注意点も参考にしてください。
防水とヴィンテージの注意点
シーマスターのような防水モデルでは、ムーブメントの整備だけでなく、パッキン交換と防水検査が重要です。
見た目がきれいでも、ゴム製のパッキンは時間とともに硬化し、弾力を失います。
ケース、裏ぶた、風防、リューズ、プッシュボタン、ヘリウムエスケープバルブなど、外部とつながる部分の密閉性が下がれば、水分が入りやすくなります。
海、プール、汗の多い環境で使う場合は、オーバーホール周期とは別に定期的な防水検査を受けた方が安心です。
なお、「300m防水」と表示された時計でも、製造時の性能が永久に続くわけではありません。
防水表示は、適切な状態に保たれた時計を一定の条件で検査した性能です。
リューズを完全に締めていない、パッキンが劣化している、ケースに強い衝撃を受けたといった場合は、本来の性能を発揮できない可能性があります。
リューズやヘリウムエスケープバルブ周辺の部品に劣化があると、防水性を回復するための交換費用が追加されます。
専門店へシーマスターを依頼する場合は、防水検査を行うかだけでなく、どの程度の圧力まで検査できる設備があるかも確認してください。
日常生活防水の確認と、本来の防水性能に近い圧力試験では意味が異なります。
ダイビング用途は防水保証を必ず確認
防水モデルを専門店へ依頼しても、修理後の防水性能をメーカーと同じ条件で保証できるとは限りません。
ダイビングなど安全に関わる用途で使用する場合は、検査内容と保証範囲を必ず確認し、必要に応じて正規サービスへ相談してください。
ヴィンテージモデルは外観を優先するか決める
古いスピードマスター、シーマスター、デ・ヴィル、コンステレーションでは、文字盤の焼けや針の変色そのものが魅力になっていることがあります。
新品時のような外観へ戻すより、長い年月によって生まれた色合いや傷を残したいと考える所有者も少なくありません。
正規サービスでは性能回復を優先して部品交換を提案される可能性があるため、オリジナル部品を残したい人は事前の相談が欠かせません。
文字盤にサビや塗装の浮きがある場合、交換によって時計としての耐久性は高まりやすくなります。
一方で、当時の文字盤が新しいサービス文字盤へ変わると、ヴィンテージ市場における評価が変わる可能性があります。
針、リューズ、風防、ベゼルも同様です。
純正の新品部品へ交換すれば使いやすくなりますが、時計全体の経年変化と色合いが合わなくなることがあります。
専門店へ依頼するときも、「実用性を優先したい」「文字盤と針は交換したくない」「ケースは研磨しないでほしい」など、希望を具体的に伝えましょう。
研磨を繰り返すとケースの角や面が少しずつ変化するため、外観をきれいにすることと、当時の形を残すことは分けて考える必要があります。
特に、すでにケースのエッジが丸くなっている時計は、追加の研磨によって形状がさらに変わる可能性があります。
外装仕上げを断っても、ケースとブレスレットの洗浄だけを依頼できる場合があります。
傷は残しつつ、汗や皮脂、ブレスレットの隙間にたまった汚れを落とす方法です。
ヴィンテージモデルでは、防水性についても現行モデルと同じ感覚で考えない方が安全です。
過去にケースやリューズが交換されていたり、ケースに腐食があったりすると、新しいパッキンを入れても製造時の防水性能へ戻せない場合があります。
防水検査を通過していても、古い時計を積極的に水へ入れることは避けた方がよいでしょう。
また、正規の修復サービスへ進んだ場合は、最低価格が256,300円程度から、メカニカルモデルの本格的な修復では572,000円程度からとなる可能性があります。
一方、アンティーク対応の専門店では、基本的なオーバーホールが35,000円から50,000円程度で収まるケースがあります。
部品製作費や文字盤修復費は別途必要ですが、正規の本国修復と比べると費用を大きく抑えられる可能性があります。
ただし、価格だけで専門店を選ぶのではなく、部品製作の実績、文字盤や針を残す方針、ヴィンテージオメガの修理経験を確認してください。
| 希望 | 依頼時に伝える内容 | 考えられるメリット |
|---|---|---|
| 実用性を優先 | 劣化部品は必要に応じて交換 | 精度、操作性、防水性を回復しやすい |
| オリジナル性を優先 | 文字盤、針、リューズを可能な限り残す | 当時の風合いや市場評価を守りやすい |
| 外観を残す | ケースとブレスレットを研磨しない | ケース形状と使用傷を残せる |
| バランスを取る | 内部は整備し、外装は洗浄のみ | 実用性と経年変化を両立しやすい |
ヴィンテージは新品に戻すことだけが正解ではない
ヴィンテージ時計では、新品のように戻すことだけが正解ではありません。
あなたは実用性とオリジナル性のどちらを残したいのか、見積もりを取る前に決めておくと後悔しにくいですよ。
判断に迷う場合は、交換部品や研磨をすぐに承認せず、修理店へ選択肢を聞いてみましょう。
オメガのオーバーホールに関するよくある質問(FAQ)
Q1. オメガのオーバーホール費用はいくらですか?
Q2. 正規サービスと専門店はどちらがおすすめですか?
Q3. コーアクシャルは10年間オーバーホール不要ですか?
Q4. 五十君商店のオメガ修理はいくらですか?
Q5. 動いていればオーバーホールしなくても大丈夫ですか?
正規と専門店の見積もり比較
最後は同じ条件で見積もりを比較
オメガのオーバーホール費用は、正規か専門店かという二択だけで決めるものではありません。
時計のキャリバー、部品の供給状況、防水性能、外観をどこまで残したいかによって、適した依頼先は変わります。
正規サービスは費用が高めですが、メーカー専用部品、純正基準の整備、幅広いキャリバーへの対応、24か月保証を重視したい人に向いています。
時計修理専門店は、費用と納期を抑えやすく、ヴィンテージ時計の外観を残すなど、柔軟な相談ができる場合があります。
ただし、専門店同士でも作業内容や保証は異なります。
正規サービス1社と専門店1社を比べるだけでなく、可能であれば専門店から2社程度の見積もりを取り、交換部品と作業内容を確認すると判断しやすくなります。
| 比較項目 | 正規サービス | 時計修理専門店 |
|---|---|---|
| 料金 | 高めだが交換部品や仕上げを含みやすい | 基本料金は安いが追加費用を確認 |
| 部品 | メーカー純正部品 | 調達できる部品が店舗で異なる |
| コーアクシャル | 幅広く対応 | 対応キャリバーに制限がある |
| 防水検査 | メーカー基準で実施 | 設備と保証範囲を確認 |
| 保証 | 原則24か月 | 半年から1年程度が一般的 |
| 納期 | 1か月以上が目安 | 3週間から4週間程度が目安 |
| ヴィンテージ | 交換や本国修復になる場合がある | 部品修復や外観維持を相談しやすい |
| 外装仕上げ | 基本サービスに含まれやすい | 追加料金またはセット料金 |
失敗を避けるなら、まず正規サービスの料金と作業内容を確認し、そのうえでオメガの対応実績がある専門店から見積もりを取りましょう。
見積書では、基本料金、交換部品、外装仕上げ、防水検査、保証期間、納期を同じ条件で並べて比較してください。
たとえば、正規料金が165,000円、専門店が44,000円と書かれていても、その2つをそのまま比べてはいけません。
専門店の見積もりへゼンマイ、パッキン、プッシュボタン、外装仕上げを加え、修理後保証と防水検査の内容までそろえてから比較する必要があります。
見積書に「内装部品一式」「その他部品」など、内容がわかりにくい項目がある場合は、具体的な部品名を聞いてみましょう。
部品交換が必須なのか、推奨なのかも重要です。
必須部品は交換しなければ正常な動作や防水性を回復できない部品ですが、推奨部品は外観や将来の予防を目的とした提案の場合があります。
| 見積もりで確認する項目 | 確認する理由 | 質問の例 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 分解掃除に含まれる範囲を知る | 防水検査や精度調整は含まれますか |
| 交換部品 | 追加料金の妥当性を判断する | なぜ交換が必要ですか |
| 部品の種類 | 純正品か代替品かを知る | 使用する部品は純正ですか |
| 外装仕上げ | 希望しない研磨を防ぐ | 研磨なしで依頼できますか |
| 防水検査 | 使用環境に合う性能を確認する | どの圧力まで検査しますか |
| 保証 | 再不具合時の対応を知る | 保証対象外になる症状は何ですか |
| 納期 | 預ける期間を把握する | 部品待ちの場合はどの程度延びますか |
| キャンセル | 見積もり後の費用を把握する | 修理しない場合の送料や手数料はいくらですか |
依頼先を決める最終判断
- 保証と純正部品を最優先するなら正規サービス
- 費用と納期を重視するなら実績豊富な専門店
- コーアクシャルはキャリバーごとの対応可否を確認
- 防水モデルはパッキン交換と防水検査を確認
- ヴィンテージは交換や研磨の希望を事前に伝える
相場より安いという理由だけで依頼して、大切なオメガを預けることに不安はありませんか。
その感覚は自然です。
高級時計のオーバーホールでは、数千円の差を追うより、修理後に安心して使える状態へ戻るかを重視した方が、長期的な満足度は高くなります。
数万円の価格差だけでなく、これから何年安心して使えるかまで考えることが、本当の意味で費用を抑える選び方です。
安い修理を選んだ結果、短期間で再修理が必要になれば、合計費用は高くなります。
反対に、日常使用が中心の一般的なムーブメントへ、毎回高額な正規サービスを選ぶ必要があるかは、所有目的によって変わります。
売却予定がなく、信頼できる専門店で定期的に整備したい人なら、民間修理を活用する価値は十分あります。
専門店を候補に入れる場合は、オメガのモデル名と症状を伝え、最終金額に近い見積もりを取ってから判断してください。
問い合わせ時には、型番、キャリバー、購入年代、過去のオーバーホール歴、現在の症状、外装仕上げの希望を伝えるとスムーズです。
◆プライムラグジュアリーウォッチLabo 編集部のワンポイントアドバイス
シエンの無料見積もりで総額を確認
シエンでは、オメガのオーバーホールや新品仕上げについて無料見積もりを依頼できます。
正規料金と比較するときは、モデル名と症状を伝え、部品代や外装仕上げを含む総額を確認しましょう。
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オーバーホール後の日常ケア
オーバーホール後は、柔らかいクロスで汗や汚れを拭き、磁気や湿気を避けて保管することも大切です。
パソコン、スマートフォンケースの磁石、バッグの留め具、スピーカーなど、強い磁気を発する物の近くへ長時間置かないようにしましょう。
ただし、研磨剤入りのクロスを使うと、鏡面や筋目の仕上げを変えてしまう可能性があります。
日常のお手入れには、乾いた柔らかい時計用クロスが使いやすいですよ。
結論
この記事で紹介した金額や納期は、あくまで一般的な目安です。
時計の状態、ケース素材、搭載キャリバー、交換部品、料金改定によって内容は変わります。
正確な情報はオメガ公式サイトや各修理店で確認し、最終的な判断は正規サービスまたは時計修理の専門家へ相談してください。